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名匠原田眞人による見事な換骨奪胎。映画『バッド・ランズ』レビュー

原田眞人監督が黒川博行の『勁草』を、安藤サクラを主役にして自ら脚本も整え見事に換骨奪胎、見応えあるピカレスクサスペンスに仕上げた逸品である。Netflixで配信中。劇場公開を見逃している映画ファンは必見の一本。
原作では、オレオレ詐欺の一員でしかない主人公ふたりを別腹の姉弟に仕立て直し、かつそれぞれのトラウマを物語に巧みに溶かし込んだ世界観が深淵。原作のタイトルの由来にもさりげなく触れる心憎さ。画角鋭く、スピード感溢れ、2時間半の長尺があっと言う間である。弟役の山田涼介の好演で安藤サクラのキャラクターデザインが鮮明度を増して、展開も説得力豊か。カメオ出演のサプライズもあり、疾走感に満ちたラストまで映画を観る楽しさを満喫できる仕上がりである。

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