見出し画像

GIGAワークブックかまくら ~みんなで作り上げるICTモラル&活用能力

教育長の岩岡です。

昨年4月に市立の小・中学校で1人1台のiPadが活用され始めてから、校務・学習・課外活動・家庭学習などさまざまな場面で、多様なICTの実践が花開いてきました。

「学習者中心の学び」を生み出すための強力なツールとなるICTですが、使うようになれば当然、子どもたちの失敗も出てきます。「使い過ぎてやめられない」「友だちが嫌がる写真を撮ってしまう」など、いろいろな失敗を日々経験していくようになるのです。

将来、制限のないICTの世界に飛び込んでいく子どもたちが、今の安全安心な環境の中で失敗することはとても重要です。失敗したから単にルールを厳しくするというのではなく、失敗を学びのチャンスと捉え、情報モラルや情報活用のスキルを育てる指導のきっかけとしたい。
そんな「想い」はあっても、それに適切に応える教材がありませんでした。

表紙

この課題を解決するために、教育委員会は一般財団法人LINEみらい財団や深沢小学校(GIGAスクール構想推進校)と連携して、情報モラルから情報活用までを主体的・協働的に学べる教材「GIGAワークブックかまくら」を作成・公開しました。

子どもたちには、各学校及び児童生徒に貸与しているiPadにデジタル版として配信しています。また、次のサイトからもダウンロードすることができます。

先生たちの想いがつまったオリジナルページ
親子で確認もできるオリジナルページ
様々なICT活用場面から学べるワークシート

ICT活用のあり方を学校・児童・保護者みんなで考えたいという学校の想いから、7月に深沢小学校では、授業の様子を保護者に公開したほか、保護者向けの講演も実施しました。

GIGAワークブックかまくらを活用した授業の様子
グループに分かれてワークシートに取り組みます
タブレットを見せ合いながら考えを共有する子どもたち

本教材は、ニーズが生じたときにすぐ活用できるよう、45分授業用の内容のほか、15分で教えられる内容も盛り込まれています。現在は小学生対象の「スタンダード版(高学年向け)」のみですが、「ビギナー版(低学年向け)」や中学生向けの教材「アドバンスド版」も順次開発・公開していく予定です。

今回教材を作成したことにより、「情報モラル教育をやりたいが、そのためのリソースがない」という深沢小学校からの声に応えることができたこと、子どもの将来につながる教材が現場の先生の努力により作成できたことに、私自身とても喜びを感じています。

子どもたちが、ICTにまつわるリスクを適切に回避しながら、Society5.0を前向きにしなやかに生きていくことができる力を少しでも身に付けられるよう、引き続き、取り組んでいきたいと思います。

(広報かまくら 令和4年10月1日号 掲載文に加筆)