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鎌倉女学院様とのコラボ企画〈後編〉~KAMABENI レポート~

鎌倉紅谷では、他社とのコラボレーションやイベントの企画など、年間を通して様々な取り組みを行っています。

2024年3月には、鎌倉紅谷が本店を構える“鎌倉”繋がりから生まれた、鎌倉女学院様とのコラボレーション企画、「鎌倉女学院 創立120周年 記念菓子パッケージ制作プロジェクト」を開始しました。
 
〈後編〉となる今回は、パッケージデザイン決定までの過程や記念菓子のお渡し後に生徒の皆さんから寄せられた感想など、鎌倉女学院様との活動内容をレポートしていきます!

→コラボレーションのきっかけや企画の詳細、デザイン案が生まれるまでについて記載した〈前編〉はこちら

※コラボレーションパッケージ商品は、鎌倉女学院様の式典に向けたものとなります。一般販売の予定はございません。


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2024年5月 第3回打ち合わせ~パッケージデザインの提案~

この日は、前回までの打ち合わせで生徒の皆さんが考えたイメージ案を基に、鎌倉紅谷のデザイナーが制作したパッケージデザイン案のお披露目です。生徒の皆さんからどのような反応があるか、鎌倉紅谷メンバーもドキドキ…!

外箱のデザイン案は、全部で4種類。第一声、生徒の皆さんから「可愛い~!」というお声が沸き上がりました。

まずは鎌倉紅谷メンバーからそれぞれのデザイン案についての説明を行います。

全てに共通するデザインとして、〈1つの箱に「過去」、もう1つの箱に「現在」から「未来」へ繋がるイメージで、2種類の鎌倉女学院を描く〉という生徒の皆さんのアイデアをイラストに落とし込みました。片方のパッケージに昔の木造の校舎、もう片方には現在の校舎を描き、120周年記念のロゴマークを入れています。

また、2つのパッケージを並べると真ん中で道が繋がる仕掛けに。これは生徒の皆さんが毎日通る正門から校舎までの道「プリンセスロード」です。〈過去〉のパッケージ(画像左)には校章に採用されている白菊を、〈現在〉のパッケージ(画像右)には、入学式で一人一人に贈られるという薔薇と、生徒の皆さんが育てている色とりどりのお花を描きました。

そのほか、よく教室内を歩いており、学園生活に馴染みが深いという〈カニ〉のイラストを入れたり、空には鎌倉女学院様のマスコットキャラクター〈ゆいちゃん〉と鎌倉紅谷のシンボルキャラクター〈リスくん〉をモチーフにした雲を描いたりと、遊び心を取り入れました。

デザインA案
〈過去〉の袴姿の女学生から、〈現在〉の制服姿の女生徒へバトンを渡している様子を描いたデザイン。雲で表現したキャラクターが正面から見える、可愛らしさを感じる案。
デザインB-1案
〈過去〉の鎌倉女学院様の創立者 田辺新之助先生から、〈現在〉の制服姿の女生徒へバトンを渡している様子を描いたデザイン。空には2つのパッケージを繋ぐ飛行機雲と校歌が描かれており、鎌倉女学院様が紡いできた歴史を感じる案。
デザインB-2案
B-2案は、B-1案をベースに〈過去〉をセピア色で表現。色のトーンを変えることで〈過去〉と〈現在〉を表現した案。
デザインC案
〈過去〉と〈現在〉の繋がりを大きな虹で表現したデザイン。田辺新之助先生の近くにリスくん、女生徒の腕に子リスくんを登場させることで、鎌倉女学院様と鎌倉紅谷の特別なコラボレーションを感じる案。

また、箱の中に入れる仕切りには、学園生活の思い出の場面を切り取った写真風のイラストを入れました。

箱の中の仕切り。
黒板やノート、コルクボードをモチーフにしたものなど4つの案があがりました。

デザイン案を説明した後は、生徒の皆さんに実際に手に取って見ていただき、デザインの方向性について意見を伺いました。しかし、どれも捨てがたいということでなかなか意見がまとまりません。そこで、鎌倉紅谷メンバーより「モチーフを足していくことよりも、何を一番魅せたいかを基準に考えていくことも大事」とデザイン決定の際のポイントをお話すると、少しずつ「もっとこうしたら良いのでは」という意見が出てきました。

外箱のデザイン案については、
・(A案について)女の子の雰囲気を鎌倉女学院のイメージキャラクター〈ちひろちゃん〉に近づけたい
・田辺新之助先生が入っている方が歴史を感じられて良い
・リスくんをもっと入れてコラボレーション感を出したい
・B-2案のセピア色も良いが、カラーの方が視覚的に楽しめると思う
・(C案について)虹の下側の空間が寂しいので何かイラストを入れられないか

また、仕切りのデザイン案については、
・写真のイラストに枠をつけた方が写真だとわかりやすい
・黒板は学校のイメージが強くて良い
・黒板のチョークや黒板消しのイラストが可愛い

実際に手に取ってじっくりと見ていただきました。

様々な意見が出たところで、「どのデザインが第一候補か」一度多数決で投票を行うことに。

化粧箱のデザインでは、〈C案〉が最も多く、続いて〈B-1案〉。
仕切りのデザインは、黒板をモチーフにしたものが最も多いという結果に!
この結果と生徒の皆さんの意見を踏まえ、次回に向けて鎌倉紅谷のデザイナーが最終的にデザインを仕上げていきます。

パッケージデザインの方向性が見えてきた後は、ラッピングデザインの案出しも行いました。「記念菓子を受け取った時の見た目の印象をイメージして包装形態を考えましょう」との鎌倉紅谷メンバーからの説明の後、複数の意見が出てきました。

・お渡しした時にすぐにデザインを見てもらえるから透明の袋またはプラケースに入れたい
・パッケージデザインにロゴなどの要素が入っているので、包装を透明にすることで、表にシールを貼る必要はないのではないか
・中身のパッケージデザインが見えるような形でリボン掛けをしたい

生徒の皆さんから出た案をもとに鎌倉紅谷メンバーでどんなラッピングが良いか検証し、次回具体的な内容を提案することになりました。

2024年6月 第4回打ち合わせ~デザインの決定とラッピング検討~

2024年2月から始まった打ち合わせも、今回が最後となりました。
最後の打ち合わせでは、前回候補を絞り修正点をあげていたデザインの最終決定と、ラッピング方法について検討していきます。
 
まずは前回生徒の皆さんから出た意見をもとに、修正したパッケージデザインを見ていただきました。

〈1つの箱に「過去」、もう1つの箱に「現在」から「未来」へ繋がるイメージで、2種類の鎌倉女学院を描く〉デザインを中心に、空の部分に[画像左:虹と風船]を描いたもの、[画像中央:校歌]描いたもの、[画像右:虹と鳥]を描いたものの3案の中から選んでいきます。

最終候補の3案。
中の仕切りは黒板をモチーフにしたものに決まりました。

それぞれのデザインを見比べ、細かな所まで確認しながらどのデザインが良いか1人ずつ発表し合いました。

[虹と鳥]を描いたデザインには
・過去と今が繋がっている感じが伝わりやすい
・120周年ロゴの位置が見えやすくて良い
・華やかで、描きたいモチーフが全て入っている 

[虹と風船]を描いたデザインには
・カラフルで華やかになる、アニバーサリー感が出る

などの意見があがり、最終的には多数決で1番票数が多かった[虹と鳥]のデザインに決定しました!

最終決定したデザイン

デザインが決定した後は〈ラッピング〉について検討していきます。
実は、今回パッケージ制作に携わってくださった生徒の皆さんが、自らラッピング作業を実施してくださることに…!自分たちで作業することを前提に、箱を入れる袋の大きさやリボンの形と色を選んでいきます。

様々なパターンを試しながら考えていきます。

今回、鎌倉紅谷からは2種類のサイズのラッピング袋と、4種類のリボンの形を提案させていただきました。
実際にサンプル品を使い、ラッピング袋とリボンの形、色、そしてパッケージデザインとの組み合わせを試しながらより良い形を模索していきます。
 
様々なパターンを試した上で、パッケージデザインが映えるように、リボンはシンプルな形でゴールドのものが第一候補に。ラッピング袋は生徒の皆さんで引き続き検討してくださることになりました。

2024年9月 記念菓子完成と生徒の皆さんからの感想

最終デザインを反映した商品が完成し、残すところあとはラッピングのみ。ここからは、プロジェクトメンバーの皆さんで作業に取り組んでいただきました。

限られた時間の中で、全校生徒分のラッピングを行うのはなかなか大変なところもあったかと思いますが、楽しみながら協力して取り組んでいただけたようです。

ラッピング作業風景
(※写真:鎌倉女学院様提供)

そして遂に…全校生徒の皆様に記念菓子をお渡しする日がやってきました!
記念菓子が配布されると、「めっちゃかわいい~!!」「おー、イラストがつながっている~」「デザインが凝っている」など、驚きや喜びの声が教室にたくさん上がったそうです。デザインを通して、「鎌倉女学院の歴史を感じました」「細部まで鎌倉女学院を感じられた」という声もあり、プロジェクトメンバーがこだわった部分や込めた想いが伝わったようで、私たちもとっても嬉しく思いました。

記念菓子お渡し会当日の様子。

最後に、今回の企画に参加してくださったプロジェクトメンバーの皆さんより、感想をいただいたのでご紹介します。
 
・デザイン案を考えていく過程で鎌倉紅谷さんの製品に用いられているパッケージの工夫や込められた思い、更に鎌倉女学院の歴史などを知ることができて良い経験になりました。120周年という記念の年に大きなイベントに参加できてとても嬉しかったです。
 
・初めてこういう企画に参加したので、どうやって進めていくのか、何をするのか不安だったのですが、鎌倉紅谷さんが丁寧に教えてくださり私たちのアイデアをたくさん取り入れてくださったおかげでとてもすばらしいパッケージが作れたなと思います。
 
・私のアイディアが鎌倉紅谷さん特有のタッチで再現されており、嬉しく思うとともに、驚きを隠せなかった。また、いろいろな立場にある人と物事を考えることで、絵の見せ方(色の使い方、人物のサイズ)やコストとの兼ね合いなど芸術的なことから社会的なことまで幅広い知識を得ることができた。このプロジェクトを支えてくださったみなさま、本当にありがとうございました!!
 
・デザインからチームのみんなと作成しましたが、過去から未来へというテーマのデザインの表現のしかたの意見の食い違いなどがあり、最初は苦戦しました。しかし、パッケージ詰めの完成に近づいてゆくにつれて120周年記念への気持ちや、チームの団結力も強まっていったので、すごく思い出に残った楽しい経験でした。
 
・実際に自分たちが出したデザインのパッケージを作成していただけてとても嬉しかったです。私のお友達がパッケージを褒めてくれたとき、とても誇らしい気持ちになりました。
 
・鎌倉の有名な鎌倉紅谷さんとコラボできることを知って嬉しかったです。デザインを考えていたときも、鎌倉紅谷さんと打ち合わせのときも特に何も感じなかったけれど、実際に私たちが提案した案が忠実に再現されているのを見て、感嘆しました。貴重な経験ができました。本当にありがとうございました。
 
・この制作を通して、鎌倉紅谷さんやメンバーと何度も話し合いを重ねられたこと、また、パッケージのイラストのモチーフや色、配置などを細部まで、こだわりや私たちの120周年記念への思いをつめこむことができたことは、私にとって生涯思い出に残る貴重な経験となりました。

完成品
(※写真:鎌倉女学院様提供)

鎌倉紅谷 創業の地である“鎌倉”をご縁に始まった今回の企画。私たちにとっても、プロジェクトメンバーの皆さんの新たな発想や着眼点に、たくさんの気づきや学びのある時間となりました。

鎌倉女学院の生徒の皆さんにとって120周年記念の素敵な思い出になりましたら幸いです。