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レ・ザンジュ鎌倉本店は、歴史が息づく喫茶・洋菓子店

鎌倉に店を構えて40年の洋菓子店、レ・ザンジュの店舗の魅力を深掘りする連載「 #レ・ザンジュノコト 」。初回は創業当時の建築がいまも残される、鎌倉本店をご紹介します。

細部に至るまでこだわり抜かれた店づくりの過程を知ることで、お菓子の味わいも少し違ってくるはず。レ・ザンジュをよく知るお客様も初耳のエピソードもあるかもしれません。


レ・ザンジュのテーマは南フランス・ニースの別荘

鎌倉の姉妹都市が南仏ニースであることをご存じですか?ニースと鎌倉は地形が似ており、どちらも歴史的遺産を持つなど共通点が多いことから、1966年に姉妹都市提携が結ばれました。

そんなニースの街の中心に広がるのが「天使の湾=baie les anges(ベイ・レ・ザンジュ)」。この美しい湾をイメージして1982年に「レ・ザンジュ」と命名し、ニースの別荘をテーマに鎌倉本店が開店しました。

エントランスにそびえるミモザの木は、ニースのシンボルであることに倣ってレ・ザンジュのシンボルツリーとして植えられたもの。塩害などの影響で植え替えを行い、鎌倉本店では2023年現在4代目のミモザがお客様をお迎えしています。

工房併設の本店だから楽しめるケーキメニュー

鎌倉本店いちばんの特徴は、併設の工房。ここからできたてのお菓子をすぐにお客様へ提供させていただいております。

フィナンシェやレモンケーキは毎日焼きたてをご用意。そのほか、生産者や栽培方法にまでこだわった季節の果実が使われたケーキも、鎌倉本店ならではの魅力のひとつ。

テイクアウトはもちろん、店内の喫茶室では季節のデザートやショーケースに並ぶお好きなケーキを選んでお召し上がりいただけます。

本物へのこだわりが随所に光る外観

40年の時を経て味わいが増し、鎌倉の土地に馴染んだ造りの建物は、南仏の別荘をイメージして細部までこだわり作り上げられました。

地面には、計算しつくされた配列で組み合わされた色・形の違うさまざまなレンガが。これらは硬くしっかりと焼成された上質な品。建築家によるデザインと宮大工の棟梁の丁寧な施工によって、いまも一つとして欠けることなく訪れる人の目を楽しませています。

外観で印象的なのは、複雑に折り重なった屋根。竹を割ったような半円形の瓦を交互に葺いたこの型は、当時も今も大変珍しいもの。数年前に台風で3枚飛んでしまったときは、同型が見つからず、泣く泣くダミーを作って目立たない部分と入れ替えたことも。

実はこの屋根、より本物らしさを追求するあまり、なんと南欧から本場のフランス瓦を取り寄せてしまったという驚きのエピソードが。かなりの急勾配が複雑に折り重なった、施工業者泣かせの凝った造りは、現在この方式で屋根を葺ける職人が少なく希少なものとなっています。

瓦と馴染むように、雨どいには銅が使われています。何気なく通り過ぎると気付かないポイントですが、今度訪れた際にはこの細かいこだわりをぜひご覧ください。

創業当時の想いを大切に残したインテリア

内観にも注目すべきポイントがたくさん。床、テーブル、椅子など、創業当初のお客様への想いをそのまま大切に受け継いでいます。


喫茶室の床のタイルは、イタリアから取り寄せたもの。テーブルと椅子は、飛騨高山の地で繊細な技術によって生み出される高品質な飛騨家具を使用しています。どちらも創業時から使い続けているもので、テーブルと椅子は何度も塗り直しながら大切に使っています。

また、喫茶室の配席にもこだわりが。レ・ザンジュ鎌倉本店には季節を彩る木々が生い茂る中庭があるのですが、喫茶室のどの席に座っても、中庭と奥の工房が望めるように配慮された設計となっています。

すべてのお客様に鎌倉本店で過ごす時間を存分に楽しんでいただきたいという想いが、随所に表れた内観です。

喫茶室で歴史を感じる上質なひとときを

40年の歴史と想いがつまったレ・ザンジュ鎌倉本店。喫茶室では、800年の時を超えて今なお受け継がれる伝統工芸品、鎌倉彫の器を使用しています。

気品と風格は800年前のまま、暮らしに溶け込み長く愛される鎌倉彫。レ・ザンジュ鎌倉本店も、鎌倉彫のように歴史を感じながら長く愛される場所でありたいものです。

地元で暮らす方々が選ぶ鎌倉の手土産として、また、観光でいらした方々が鎌倉の情景に想いを馳せるひとときに。レ・ザンジュ鎌倉本店は、歴史と新鮮なお菓子とともにお客様をお待ちしております。

      レ・ザンジュ鎌倉本店Instagram @lesanges_kamakura

@lesanges_kamakura