小説「高感度上昇サプリ」を読んで
おもしろい小説を読みました。
目からウロコさんの小説を知ったのは、note公式のTwitterで見かけたのがきっかけです。
コメントを寄せようと思ったらどんどん想いがあふれて長文になってしまったため、 #読書感想文 としてサクッとまとめました。
以下、ストーリーや核心に触れていますので、ネタバレNGな方はご注意くださいませ。
ストーリー
プライベートも仕事もパッとしない主人公・谷村。同世代のインフルエンサーを横目に、目に入ったのがSNS広告「好感度上昇サプリ」。そこから変わっていく様が描かれています。
感想
答えを出すのは自分
常々、正解を知っているのは自分自身だと感じる中で、強く共感を覚えたのがこのフレーズです。
他者からの好感度である”GOOD稼ぎ”に夢中になっていた主人公・谷村ですが、大切な人たちとのやりとりを通じてたどり着いたのがこちらの答えでした。自分らしさを失って親友に見限られ、目指していたはずが変わっていた兄の様子や言葉を受け入れられない主人公・谷村。
社会や組織の一員として過ごす中で、他者からの評価は確かに大切です。でも、それに強く依存してしまう過ごし方の危うさが読み取れました。
似たような経緯の人間はいるかもしれないけれど、まったく同じ境遇の人間なんて存在しない。それなのに、違う境遇・性格の人間と比べては一喜一憂する。これって消耗しますよね。
GOODの数字を大きくすること自体が目的化しているのはおかしくない?
という書き手・目からウロコさんの問題提起や皮肉も感じました。
(「自分を認めてくれるのは自分しかいない」という答えを導くにあたり、経緯がもう少し描かれるといいな!と思いました)
他人の人生を狂わせる影響力
こちらは、ハッとさせられたフレーズ。
言葉を発した後まで想像力を持てている人って、どれくらいいるでしょうか?受け手の人生を左右するほどの影響力を持つとは、なかなか怖いこと言ってます。
言葉の力の強さという意味では、放った本人が無自覚なこと。自分のことを棚に上げて正論だけ言うのってやりがちだと思うんです。わたし自身「なにを偉そうに言ってしまったんだ」と後悔することは、たびたびありまして。(最近もやっちゃったなぁ…)
特に仕事の場だと、自分の首をしめることにもなるんですよね。「そういう自分はできてる?」と問いかけるようにしています。
また、noteをはじめSNSで発信する立場になったことで、これまで以上に言葉選びには気を遣おうとも思いました。
おわりに
先にネタバレ読んでしまった方も(笑)ぜひ読んでみてくださいね。
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