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転職エージェントに見捨てられた!?元転職エージェントが、その原因と対策を徹底解説!

転職を検討した時、人材紹介会社へ登録する方は多くいらっしゃると思います。

筆者自身、登録をしたこともありますし、転職エージェント側で働いていたこともあります。現在はフリーのキャリアカウンセラーとして、新卒や中途の紹介事業も実際に行なっています。

そこでたまに求職者の方から相談を受けるのが、「転職エージェントに見放されたかもしれない」という内容。今回の記事では、どちらの立場も経験した筆者が、考えられる原因と対処法についてお伝えします。

【転職エージェントから音沙汰がない…なぜ!?】

人材紹介会社へ登録すると、大まかには『エージェントとの面談→案件紹介→クライアント企業との面談→内定』という流れでエージェントが仕事先を紹介してくれます。しかし、「初回面談後、一向に連絡がこない」「案件を紹介してもらったのに、その先に進まない」「希望の案件を伝えたけど断られる」など、せっかく登録したのになかなか転職活動が進まなくてヤキモキされている方は少なくありません。

エージェントから連絡がこないと、見放されたようで自信を無くしてしまうこともあるでしょう。また自分には市場価値がないのかと、転職を諦めてしまいたくなる気持ちもわかります。でもそう考えるのは、時期早々。客観的に理由を分析して、次のステップに活かしましょう。

まずは、転職エージェントから連絡が来ない原因として考えられることをご紹介します。

①エージェント側に原因がある場合

転職エージェントから連絡が来ない理由が、必ずしも自分にあるとは限りません。エージェントに起因する理由としては、下記の事項が考えられます。

1. あなたにマッチする案件を持っていない

現在日本には、どれくらい人材紹介会社があるかご存じですか?実は、その数は数千と言われています。人材紹介会社によって、取り扱う案件も様々。あなたが登録した人材紹介会社が、あなたの条件に合う仕事を取り扱っていないため連絡が来ないという可能性は充分に考えられます。

ではなぜ、「紹介できる案件がない」とハッキリ言わないのでしょう。それは、今後紹介できるかもしれない可能性があるためです。人材紹介会社は、登録してくれた求職者になるべく仕事を紹介したいので、常に新規の案件を必死に探します。と同時に、紹介企業から新規の案件を得るためには、たくさんの求職者がいることをアピールする必要もあるのです。そのため、今後の可能性を見越して「マッチする案件が出たら連絡する」と伝えるのです。

2. エージェントと相性が合わない

転職エージェントは転職のプロですが、一人の人間であることも忘れてはいけません。どんな人間にも相性の良し悪しはあるもの。単に、担当のエージェントとの相性が合わないだけということもあり得ます。例えば、子どもを持つ主婦の方の担当エージェントが独身男性だった場合、どうしても分かり合えない事や理解できないことが往々にしてあるでしょう。

人材紹介会社の数以上に、転職エージェントは世の中に山ほど存在します。1人や2人相性の合わないエージェントがいたからって、落ち込む必要はありません。単に自分とは価値観が合わないのだと、割り切る気持ちも必要ですよ。

②自分自身に原因がある場合

もちろん、エージェント側だけでなく、自分自身に原因がある場合も考えられます。ただし、決して自分に市場価値がないと決めつけず、これから挙げる特徴に見覚えがないか冷静に自分を客観視して考えてみましょう。

1. 理想が高い

筆者が「ちょっと紹介し辛い」と感じるのは、理想があまりにも高すぎる方です。「給与は●万円以上、残業0で完全週休二日制、福利厚生も充実していて、仕事は◇◇しかできません」。こう言われてしまうと、そういった仕事は元々募集も少ないうえ(働きやすいので辞める人が少ない)、人気も高いのでどうしても競争が激しくなります。加えて、人気が高い仕事というのはわざわざ高いお金を払って人材紹介で人を集めずとも簡単に採用することができるので、人材紹介会社が取り扱わないということも考えられます。

また、転職エージェントは求職者を応援する立場でもある一方で、クライアントである紹介企業とも良好な関係を構築しなければなりません。「理想が高い=ワガママ」と紹介企業にも捉えられる可能性もあり、入社後に問題を起こされたくないという思いから紹介できないと考えるエージェントもいるでしょう。

同じ理由で、エージェントのアドバイスに耳を貸さない方も、紹介は難しいです。転職エージェントはこの道のプロです。これまでの経験から、あなたがより案件を紹介してもらえる方法を伝えています。もちろん譲れない条件もあるでしょうが、頑なに反発してばかりいると、やはり「ワガママな人」「人の話が聞けない人」と捉えられ、紹介が難しくなってしまいます。

2. 適性と希望がマッチしていない

希望がそれほど高望みでなくても、紹介が難しい場合があります。それは、本人の適性と希望がそぐわない場合です。少し話は逸れますが、例えば恋愛でも、本当は優しくて穏やかで落ち着いた人との方が相性は良いのに、イケイケの遊び人タイプばかり追いかけるような人を見かけませんか?これは就活においてもよく見られる事象なのです。

転職エージェントは、単に求職者の御用聞きをしている訳ではありません。本人の希望はもちろん最重要視していますが、経験や性格なども把握し、紹介企業の社風や仕事内容、求める人物像など全てを鑑みて企業と求職者を引き合わせるのです。それは、せっかく就いた仕事を長く続けてほしいと思うから。自分に合わない企業で働き続けることは辛く難しいことです。せっかく入社できてもすぐに退職となってしまうのは、求職者本人にとっても負担やデメリットが大きいとわかっているので、転職エージェントはそうならないようマッチングを大切にしています。

3. 年齢がマッチしていない

現在、男女雇用機会均等法において、求人に年齢制限を設けることは原則禁止とされています。しかし人材紹介の世界では、紹介企業側から転職エージェントに“できれば〇歳くらいの人で…”という要望が秘密裏に取り交わされることは稀ではありません。

ただ誤解いただきたくないのは、若ければ良いという訳ではないということです。ポジションや配属先が明確であれば、職場の環境や雰囲気にマッチするような年代の方をなるべく紹介します。また経験やマネジメント経験が必要な仕事という理由で、「40歳前後の方で」「50歳以上の方を希望」といった要望を紹介企業から受けることも決して珍しいことではないのです。

ですので、求職者の年齢がいくつであっても、紹介企業の希望している年代と合わないため紹介に至らないというケースはあります。

【それでも転職活動を続けるために————対処法は?】

転職エージェントからなかなか仕事を紹介してもらえない理由について述べました。次に、もしそうなってしまった場合の対処法について、ご紹介します。

①複数の人材紹介会社に登録をする

前述したとおり、日本には数多くの人材紹介会社が存在します。登録した数が多ければ多いほど、色々な仕事を紹介してもらえる可能性も高くなるので、ぜひ複数社の登録をおすすめします。その際は、大手ばかりではなく、特定の分野に長けている中小の人材紹介会社にも登録するとよいでしょう。大手が取り扱わない穴場の案件があることも多いからです。

また、登録する人材紹介会社が違えば、転職エージェントの色も異なります。自分に合った転職エージェントを見つけるためにも、できるだけ色々な人材紹介会社に登録するとよいでしょう。

②エージェントを代えてもらう

自分の担当になった転職エージェントとイマイチ相性がよくない。そう感じたら、エージェントを代えてもらえないか相談するのも一つの手です。大手の人材紹介会社であれば、転職エージェントも相当数いるでしょう。1人と相性が合わなくても、他のエージェントとは合うかもしれません。また、人材紹介会社によってはエージェントによって扱う案件の部門が異なったり、エージェント毎に独自の情報を持っていたりすることもあります。

エージェントの変更は、メールで行なうことが可能です。ただし注意点として、担当エージェントの愚痴やクレームにならないよう明確な変更理由をしっかりと伝える必要があります。単に「相性が良くないから」という軽い理由で伝えてしまうと、仕事もすぐに辞めてしまう人、クレーマーといったレッテルを貼られてしまう可能性もあります。担当エージェントをフォローするような文面を盛り込めると理想的ですが、ハラスメントがあるなど目に余る態度の場合は、正直に伝えてもあなたが批判される筋合いはありません。

③希望の条件を見直す

希望の条件が多ければ多いほど、該当する仕事は必然的に少なくなります。複数社登録をしたのにどこからも紹介がないという場合は、自分の条件を一度見直してみた方が良いかもしれません。

条件見直しのコツは、まず全ての条件を箇条書きに書き出し、譲れない条件から順位をつけていきます。下位にある条件は、難しいかもしれませんが、ひとまずは紹介企業との面談が終わるまで一旦忘れましょう。紹介企業の人と会ったり実際に社内を見たりすると意外と譲れるような条件だったと気づくこともありますし、自分の条件に本当に合致しているかどうかは内定を貰った時に再度考えればよいことです。


④自力でも仕事を探してみる

人材紹介会社に登録する方の中には、現職の仕事が忙しく転職活動の時間がないという方も多くいらっしゃるでしょう。それでも、できる範囲で自分でも仕事を探してみてほしいと筆者は考えます。

その理由の一つは、転職エージェントに本気度をアピールできるためです。転職エージェントはこれまで数多くの求職者を見ています。「今より良い条件の仕事があればラッキー」くらいの軽い気持ちの方と、真剣に転職を考えて取り組んでいる方の見分けは簡単につきます。本気で転職したい方は、やはりそれだけの行動をとりますし、転職エージェントもそうした方を応援したいと思うでしょう。また、自分から積極的にエージェントに相談することも良い心がけです。なかなか紹介してもらえないと感じたら、なぜ紹介してもらえないのか、どうすればもっと紹介してもらえるようになるか、ぜひ直接エージェントに尋ねてみてください。良いエージェントであれば真摯に答えてくれるでしょう。

もう一つは、転職事情の現状を知るためです。自分の希望条件で仕事を探すと、そうした仕事が世の中にどれ程あるか、はっきり自分の目で確かめることができます。数多くあれば自分の条件がそれほど高くないとわかりますし、いくら検索しても出てこなければ理想が高すぎるとわかります。自分の条件を見直す一つの指標となるので、「全然仕事を紹介してもらえない」と嘆く前に、ぜひ自分でも仕事を探してみることをおすすめします。

【まとめ】

いかがでしたでしょうか。今回の記事を読んで、「転職エージェントから見捨てられた」などと自分を卑下せず、皆さんが前向きに就活に取り組めるきっかけになれば幸いです。

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