見出し画像

本当はずっと紹介したかったマンガ『きみを死なせないための物語』

正直、書こうとは思っていなかった作品。

自分の語彙力では限界がある、伝えきれない。紹介したとしても好きだと思ってくれる人、そうでない人にはっきり分かれると思っていたので..それでも最終巻まで読んだときに、どうしても紹介したくなりました。

こんな悲しい物語があるのかと久しぶりに思いましたね。


あらすじ
宇宙に浮かぶ都市文明「コクーン」。国連大学の学生で、幼なじみのアラタ、ターラ、シーザー、ルイの4人組は、宇宙時代に適応した新人類“ネオテニイ”のこどもたちだった。
ある日、彼らは歓楽街の路地で緑の髪の少女に出会う……。
秋田書店より引用)


上記あらすじにもありますが、いくつか先に紹介したいキーワードがあります。

・ダフネー症 16〜17歳で亡くなる病気
・旧人類   いまの人類と同じ寿命
・ネオテニイ 生まれつき長命

画像1
画像2

『きみを死なせないための物語』(吟鳥子/中澤泉汰/秋田書店)2巻より引用


地球に住むことができなくなり、コクーン(宇宙船)のなかで生きていくことになった人類。そこでの生活を維持するために考え出されたのが、監視と規則を徹底することでした。

ここでは、感情で物事を判断することはありません。そして、ある基準をもとに役に立たないと判断された人は、寿命を迎える前にリストイン=安楽死。会話すらも無闇に出来ず、すべての関係性に社会的パートナー契約が必要です。

はじめてできる友だちは、親同士の決めるキッズパートナー。子どもを産むためには、繁殖パートナーと...愛で結ばれたとは口外できないような倫理観です。

ぼくが気になったのは全8巻のなかで、いつも最後のページに出てくるこのコマ。

画像3

これはきみのための物語

『きみを死なせないための物語』(吟鳥子/中澤泉汰/秋田書店)1巻より引用


画像4

これはきみを死なせないための物語

『きみを死なせないための物語』(吟鳥子/中澤泉汰/秋田書店)2巻より引用


画像5

これはきみをひとりでは死なせないための物語

『きみを死なせないための物語』(吟鳥子/中澤泉汰/秋田書店)3巻より引用


画像6

これはきみを死なせないための物語

『きみを死なせないための物語』(吟鳥子/中澤泉汰/秋田書店)4巻より引用


画像7

これは『きみ』を死なせないための物語

『きみを死なせないための物語』(吟鳥子/中澤泉汰/秋田書店)5巻より引用


画像8

これはきみたちを死なせないための物語
この真実に人類はきっと耐えられない

『きみを死なせないための物語』(吟鳥子/中澤泉汰/秋田書店)6巻より引用


画像9

きみをひとりでは死なせないと誓った
ぼくの物語だ

『きみを死なせないための物語』(吟鳥子/中澤泉汰/秋田書店)7巻より引用


とにかく悲しい。

サトラレ』のときにも書きましたが、ぼくは【この漫画は〇〇と〇〇の物語】という表現が大好きなんです。でもこれはちょっと悲しすぎる。

ぼくはこのマンガをきっと何度も読み返します。
その都度泣くかもしれません。

SFが好きというのもありますが、作品としての完成度が高いと思います。『7SEEDS』と『ぼくの地球を守って』を現代版にした感じですかね。ぼくが本当に発売日をチェックして買っていたマンガは、ここ最近だとこれだけでした。

読んでいるときに「もしもこの世界にぼくが生まれていたら、どんな気持ちになるのかな?」と思ったんですが、素直に何も知らないまま楽しく暮らすだろうな。知らない方が不幸ということではないと思うので。

また「アラタがネオテイニ(長命)であることの意義ってなんなんだろう?」「何のために長く生きないといけないのか?」そして「ダフネー症(短命)の研究には本当に意義があるのか?」

これは最後まで読んでもらえると納得できます。

繰り返しですが、こんなに悲しい、どこまでも悲しい、そしていいマンガはなかなかないです。

おすすめです。
本当に読んで欲しい。


もし最後まで読んでもらえたら、ぜひ考えてみて欲しいです。あなたにとって「きみ」は誰で、どれが贈り物だったでしょうか。

画像10

『きみを死なせないための物語』(吟鳥子/中澤泉汰/秋田書店)8巻より引用


SF好きな方はこちらもぜひ。


それではまた明日。


最後に。
読んで頂きありがとうございます。
そして読んだということで「スキ」「ハート」をポチってください。人間リアクションは大切です。

そしてお知らせ。
SNSはやめましたが、FOLLOW MEでは更新してます。よければこちらから。

ここから先は

0字

いままで書いてた漫画についてのレビューをスタートさせます。(2021年11月より) 漫画をレビューした後、良かった、コメントしたいという…

良いと思ったらサポートお願いします。嬉しいので。 もちろんちゃんと返信させて頂きます。