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『マイ・インターン』をみて、仕事で1番大事なことに立ち返りました

土曜日ですね、今日は映画の話です。ずーっと前から良い作品だと聞いていた『マイ・インターン』という映画を観まして、さっそく感想を話していきます。鑑賞したのが前夜のことだったので余韻が残っているのもあるかもしれないんですが、これね、なんだかもう。

「こんな起業家人生歩みたいな」って思っちゃうなと。

――ハマっている感じが伝わります。少し意外ですね。(聞き手:Erina)

そうなんですよ。主人公、2人の関係性が良かった。

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社会と繋がっていたい

まず1番最初のシーンにグッときまして。70歳のベンには毎日の楽しみや生きがいがない、この映画はそんな描写から始まるんです。ここで思ったことが

70歳になったところなんて想像できないけど。きっと、楽しみたいけど、楽しめない。仕事もしたいけど、できないって感じなんだろうな。そうなったら、あとは年金で生きていけって感じなんだろうか。そう思うと、退屈で死ぬんじゃないかな、なんて。

ぼくはゴルフやお酒も嗜みますし趣味も無限にあるので困らないとは思うんです。でも「社会と繋がっていたい」ということに関してはちょっと考えてしまって。ベンは奥さんも亡くなっていたので、本当に1人だったんです。

それを観て「あぁ、なるほど」「こうなるのか」「そんなのは嫌だな」といったことが頭をよぎりました。


ぼくにとっての『下町ロケット』

もう1人の主人公ジュールズはベンチャー企業でCEOを務めています。会社は急成長を遂げていて、わずか1年半の間に創業時の約8倍にあたる220人の社員を率いることに。

当然、ジュールズはめちゃくちゃ忙しいです。
秘書のベッキーも困りまくるくらいに(笑)。

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さらに、家庭のこともあります。

家族は夫と娘の3人。夫はジュールズを支えるため、それまでのキャリアと引き換えに専業主夫を選択しています。それでも、いくら家族のサポートがあるといっても、ジュールズがアメリカの学校らしいイベントに対応するのは大変そうでした。

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「来週のランチ会はワカモーレを18人分作ってきてね」とお願いされるシーンがあるんですけど、絶対作れないでしょと思ってしまう状況で。案の定「今週は忙しくて...」みたいなことが続くんです。

そうしているうちに会社の方でも株主から「ジュールズはクリエイターとか企画とかが好きだから、別にCEOを連れてこい」という展開になり、自分の代わりの人に社長を託さなきゃいけないということに。

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実際にジュールズは会議に夢中になりすぎてつい時間を押してしまったりもしていたんですね。そこでジュールズは「私じゃダメなの?」「こんなに急成長させてダメなの?」「5年でやるって行ったことを1年でやっているのに」と言うんですが。

株主からは「いや、そこだと」「そんな拡大にみんなついてこれないんだ」という話になって。このシーンを観ながら内心「なんだろう、このダブル感じ」と思っていました。

ベンチャーというのがぼくにとっての『下町ロケット』だったんです。実体験とリンクしていくような感覚に襲われまして。

ーーなんと申し上げたらよいのでしょうか(笑)。

そう。「なんなんだろうな、これ」って思いました(笑)。


ベンみたいな人がいてくれたら

そこにベンがシニアインターンとしてジュールズの直下で入社します。そしてジュールズはベンに「なにか仕事があったらメールするから」と言うんですが、結局メールはずーっと来ないんです。

ここからのシーンがぼくはめちゃくちゃ良いと思っていて。

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最初はパソコンの電源の入れ方すらわからなかったベンが、豊富な人生経験を生かしてどんどん同僚から頼られるようになるんです。例えばこんな相談を受けていました。

「彼女が浮気したんだけど...」と聞かれれば、「ちゃんと直接話し合った方がいいよ」と言ったり。
「有名人の家に服を届けに行かないと行けないんだけど...」と聞かれれば、「ちゃんと襟付きの服を着て行った方がいいぞ」と言い。
最終的には「1人暮らしを始めるんだけどフィラデルフィアに住むんだ」って言っている人がいたら、「それは遠いからうちに住みなよ」とか言うんですよ。

こうやってたくさん相談を受けるうちにベンは人から愛されていくんです。そういう人だからこそ、最終的にはジュールズの心の拠り所にもなっていくんですね。

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しかも、仕事も勝手に探してくるんですよ。

オフィスのど真ん中にある机の上が汚かったらそれを整理するとか。自発的なんですよね。でも自発的も難しいところで、加減を分かっていない人がすると、ちょっと迷惑に感じちゃうこともあると思うんです。

そこをベンは絶妙な加減で少しずつやっていくんですよ。


ただ、あることがきっかけになってジュールズは1度ベンを外します。ここで異動の指示を出したものの、ジュールズはベンと話しているうちに「やっぱり楽だ」と気づくんです。ジュールズがアポから帰ってきて「何も食べていない」と言えば、チキンスープを買っておいてくれたり、急に運転手を務めることになったときも、しっかり道を知っていたり。

さらに、ベンは経営者とか孤独な社長が言って欲しそうな言葉を言ってくれるんですね。

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ーー鎌田さんの視点、面白いですね。

え、そうですか?

ーーここまでジュールズ目線になられるのは意外でした。

なんか、ねえ、これ。組織でいうと...


山田さんがいなければUUUMは潰れていた

UUUMには社外の取締役がぼく以外に4人いるんですよね。それは、戦友だし、一緒に戦ってきた仲間なんですよ。

ベンの場合はそことは別の室長みたいな存在だと思うんですよ。

社長室室長みたいな。でも距離はある意味、取締役よりも近いと思います、室長の方が。ぼくは取締役には1人ずつ尊敬とか敬意を抱いている部分があります。もちろんボロクソに怒る時もありますけど。

とはいえ、お互いのポジションを完全に任せあっています。仕事上お互いがプロフェッショナルなんです。だから甘えを言うこともないし(ときには言うこともありますけど)、いつもピカピカで会社を守ってくれている存在なんですよ。

でも社長室室長というのは、なんかちょっと、プライベートなことまで言っちゃえるみたいな。

――許せる間柄ということでしょうか?

そう。ちょっと愚痴をこぼせるというか。なんかちょっと、うーん。取締役陣とは違う近さというか。

ぼく、24〜28歳まで前の会社で社長の直下だったんです。秘書であり、社長室室長であり。あのときのぼくは生意気ではあったけど、一緒にいるって言ったら朝の5時まで一緒に仕事してとか。週末も一緒に遊んだり、旅行行ったりとか。男同士ですけど、別に、なんだろう、楽しかったし。仕事の話とプライベートの話が混ざりまくっていたんです。

UUUMにおいては1人、山田さんっていう社外取締役の方がいるんですけど、その方はいま65歳を超えていらっしゃっていて。UUUMの事業が今日まで生き延びているっていうことを、仮に成功だというのであれば、

山田さんがいなかったらUUUMは潰れていると思うんです。

それくらいぼくは何でも相談している人なんです。やっぱり経験っていうのはすごい。全幅の信頼を置いています。山田さんはぼくにイエスマンでもないですけど、欲しい情報や知識をちゃんとくれるんですよね。

――メンターとも違うのでしょうか?

メンターよりは近いですね。社外取締役をやっていただいているので。

ベンを見ていたらなんかこういう、自分の社内においてのこととか「こういう人がいてくれたらいいな」とかなんか思っちゃいましたね。

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浮気すら綺麗に回収されていく

物語に立ち返っていくと、ジュールズの夫は浮気をしていたんです。

ここで俺は離婚するのかなって思ったんですよ。その前にもいろいろな結末を予想していまして、2時間映画の最初の30分で辿り着いた1番考えられる終わりはこうでした。

社長を探すのに奔走しているジュールズ 、そこへシニアインターンで入社したベン。ここからワンチャン、ベンが社長になるとかあるのかなって考え始めていたんですね。ただ、それだとなんか違うなと。

そして後半まで観ていくと夫は浮気していたことが分かります。ここで、これ離婚してシングルマザーになって仕事頑張るとかあるのかなとか、いろんな道を探ったんですけど、最終的にはすげえ綺麗に回収されて終わってるんですよね(笑)。

他にもCEOの候補が決まった翌朝、ジュールズがベンに「決めたわ、あの人にする」と言ったシーン。

ここで、ベンは

「私はやっぱり反対です」「あなたが工場で服の折りたたみ方を伝えているときも、キラキラしていた」「あなたが作った会社なんですよ」「他の経営者がいくら経営したとしても、それはもうあなたの会社ではないですよ」

と言って「だから私は反対です」

「って、言ったらいいですか?」みたいなことを言うんですよ。

なるほど、と思いました。ちゃんと気持ちいいことも言ってくれるし、そのうえで考えろみたいなこともベンは言ってくれるんです。絶妙すぎる。本当に絶妙すぎる。ぼくもちょっとそこで思うところがあって、自分の会社に立ち返るんですけど


”好きだ”って気持ちを前面に出して仕事をする

経営は大切で大事なことです。でも、ぼくはクリエイターさんが好きだし、動画が好きだし、エンタメが好きだから。「好きだ」って思いがやっぱり強くって、そのお陰で今ここに座っているとしたら、やっぱりそれって根幹だよなと思うわけです。

もちろんうまく経営しようとかいろんなことは考えますけど、視聴者さんのこととか、クリエイターさんのこととか、やっぱり自分が好きなものとちゃんと向き合っていきたい。

それを、経営って言葉に置き換えるんじゃなくて「一緒になって物事を突き進めていくってことが1番いいんじゃないか」みたいなことを思ったりして、「もっと明日からは”好きだ”って気持ちを前面に出して仕事をしよう」と、立ち返ったわけです。

とはいえ、これってバランスですよね。

好きすぎてうまくいかないこともあるし、好きだって言い続けてうまくいくこともある。それもまた「立ち返ったときにふとそうやって思う時がくる」っていうことかなと。


嫌なシーンが何もない

――実は『マイ・インターン』をご覧になると伺ったとき、内心 「大丈夫かな」と思っていたんです。

ちょっと。どういうことですか(笑)。

――今作を観るきっかけは『プラダを着た悪魔』からの流れが多いと、思い込んでおりまして。

あー。それも観てないんだけど(笑)。

――そうですよね(笑)。

でも、それもまたアン・ハサウェイですよね!たしか。ぼく、アン・ハサウェイのことを素直に綺麗で可愛いと思いました。

――そうでしょうね。

いや、でもいるじゃないですか。一般的にお美しい方でも自分のタイプとは違うみたいな。ぼく、アン・ハサウェイは日本人に愛されるべき方なのではないかと思っていまして。

ジーパン姿とかすごい好きだったし。

――ん。んん。んんん。

え。

――鎌田さんの好みがどんどん明らかになってきて、個人的にはすごく面白いです(笑)。

あ、そうです?(笑)最後の方のシャツにセーター着てるとか、いいじゃないですか。

――オンとオフのバランスが素敵でしたね。

そうそうそう。最高ですよ。

あと、ベンがインターンの2日目あたりで女性を食事に誘ったりするじゃないですか。そして、そのデートが...っていう、あのシーン。

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あれってやっぱりぼくには分からないけど、70歳を越えいくと生きている年齢よりも、これから先の人生の方が短いわけですよね。そういう人生の送り方をまだ過ごしたことがないから、どういう感情なんだろうなと。あの場面は思うところが結構ありましたね。

映画ってちょっとだけ嫌なシーンもあったりするじゃないですか、でもこの映画はぼくにとっては何にも嫌なシーンがなくって。

夫が浮気していようがというと極端なんですが、きっと綺麗に回収してくれる予感があって。それって途中から、自分がこの作品を信頼している部分が生まれていたからだと思うんです。

例えば、サンフランシスコに出張するシーン。

ジュールズ とベンは2人でホテルに泊まるときに「部屋に寄っていかない?」みたいなこと言って、ジュールズ の部屋のベッドに2人で腰をかけるんですけどこの作品は別にそういうことを見せたいわけでもない。

本当に戦友なんだ、仲間なんだ、友達なんだ

そういうのを見せたいんだろうなっていうところで展開されていくんで、まったく嫌な気持ちにならないんですよね。さらにですよ。社長からすると、こういう奴いたら絶対嬉しいよねっていう要素を、全て当てはめてくれているんです。

もう単純にこの映画を観て願うことは「こういう人いねえかな」っていうことですね。まあ、そんなことを思った映画です。最高でした。

実はぼくも最初は大丈夫かなと思っていて、性格上のほほんとした感動ものの映画だったら観続けるのは辛いかもしれないなって思ったんです。でも自分の環境下に置き換えられるっていうのが、すごく良かったみたいでした。

「ああ、俺も会社の中でチャリンコに乗ろうかな」ってワンチャン思ったりしましたもん。車の後ろにモニターつけてスカイプしていたシーンを観ても、いいな、これって(笑)。

あとは、笑いも浅いところに作ってくれていたのが良かったですね。

1つはジュールズ がお母さんに間違えてメールを送ってしまったとき。パソコンのなかのメールを消去するために、実家に向かうことになります。そこで鍵は植木鉢の下にあるからと言われて、行ってみると植木鉢が2〜30個あるみたいな(笑)。

もう1つはジュールズの娘の友達へ誕生日プレゼントを持って行くシーンっです。ベンと一緒に公園にプレゼントを持って行って「友達はどこにいるんだい?」って聞くと「ピンクの服を着ている。」っていうんですけど、全員ピンクの服を着ているんですよね。20人くらい(笑)。そのあたりの笑いの作り方を、ある程度同じにしておいてくれて助かりましたね(笑)。

――てんどんみたいですね(笑)。

そうそうそう。深く考えずにキャッチアップできるので、あの濃厚な2時間の時間配分ではポイントになっていたと思います。そこらへんは上手いなって思いましたね。

――ハマりましたね。

ハマりましたね。意外と最近、映画で変なの引いてないっす。

――あ、たしかにそうですね。

それか、ぼくのツボが浅いのか。ですね(笑)。


という感じでした!今日はこんなところで。




最後に。(やっぱり毎回言おうと思います)
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