分譲マンションで育った5人の偏愛|漫画『鈍色の箱の中で』
同じマンションで暮らす高校生5人の話ですが、昼ドラみたいな展開に圧倒されました。
「ずっと昔から好き」
「昔から知っているからこそ恋愛対象にはみられない」
こういった葛藤を描き上げ、タイトルに「鈍色の箱の中で」と添えるセンスに脱帽です。はじめのドロドロとした展開、綺麗な画、そこから予想もつかない成長をみせる5人の姿が印象的でした。
単行本は6巻+番外編7巻で完結しているんですが、LINEマンガで連載されていたときから人気が高く、ドラマ化されたというのも納得です。
1から2巻にかけては、5人の関係をそれぞれの視点から知ることになるんですが、第0話はお父さんの目線なんですよね。
マンションで隠れてキスをする息子を目撃してしまった後で、同じエレベーターに乗ってしまいます。
しかも「見てたでしょ?」と追及されるわけですが、「いつから付き合ってんだ?」と聞いても、「別に付き合ってねーし」と返されるんです。
それどころか、これですよ。
幼い頃から仲の良かった姿を知っているお父さんは、ショックを受けてしまいます。
さらに続く第1話ではキスをしていた相手、406号室の筧美羽の気持ちが描かれていくんですが、
この表情がすごく切ない。
幼馴染で隣に住んでいてキスもするけど、美羽と基秋の間にはずっと壁があるんですよね。
それを象徴するように、このシーンで流れている音楽は、基秋にとって思い出の曲なんです。
そして残る幼馴染、315号室の高島あおい、107号室の真田・利律・アロワ、201号室の庄司悟が登場します。3人はリツを中心にずっと仲が良かった、というよりもリツのことが大好きでした。
でもあるとき、リツから突然本音を告げられ、距離を置かれてしまいます。
同じ寂しさを分かち合った2人は、お互いにリツを特別だと認めながら、慰め合うようにして一緒にいることを選びます。
そんなリツがずっと想っていた相手は、美羽だったんです。しかも、こんなことを考えるようになります。
こうしてリツが動き始め、ドロドロとした展開をみせ始めるわけですが、略奪愛というよりは、5人それぞれの報われない偏愛が描かれていきます。
どうして叶わない相手に惹かれてしまうのか、恋愛に翻弄されていく5人の姿を描かれつつ、それだけでは終わらないんですよね。
最後にはこの経験から成長した姿を見届けることができます。
どうして美羽は基秋じゃないといけないのか、基秋の忘れられない人とはどんな人なのか、あおいと悟の関係はどうなるのか、リツが美羽に執着するのはなぜか。5人の偏愛が絡み合ったオムニバスとして読むこともできると思います。
大人になった5人はどんな展開を迎えることになるのか、ぜひ読んでみてほしいです。
それではまた明日!
最後に。
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