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「街」には時計塔がある。

 みなさんこんにちは。8月に入り天候が落ち着かず、雨の被害が出ている地域もありますね。皆さま無事お変わりなく過ごせていらっしゃいますか。たいへんな状況でも少しでも心休まる場所があればと思います。

 わたしは季節が変わっても相変わらずというか、相変わりたいけれども変われないというか、そのような停滞した日常を過ごしています。上手く行く時とそうでない時、ものごとにはリズムがありますね。

 さて、そんな中でも文章は書いていきたい! ということで、今日は「街」と「時計塔」についての話です。「街に時計塔があるのはなぜか」。これはわたしがかねてから疑問に思っていることです。

 東京、銀座の時計塔が今年で90周年です。銀座の中心で時を刻み続けて、もう90年が経つのですね。銀座の時計塔といえば、銀座に行ったことがない人でもその存在は知っているのではないでしょうか。街のシンボルとして鐘の音で時を伝え続けてきた時計塔です。

 先日、人々が家路に着く頃の時間帯に銀座に行きました。すると鐘の音が。ゴーンという古びた音でもなければ、現代的な機械音でもない、長年ずっと働いてきたような、そんな「生活の音」がしていました。日頃銀座に行くことがないわたしにとっては、正直なところ今でもこのように街に鐘の音を響かせているんだなとそれが驚きでした。

 写真は雨の日の銀座。銀座和光のウィンドウは90周年を記念したものになっていました。鐘の音を聴くことで、わたしもこの街の「あなた」になれたのかも、という気がします。

あなたのために
鐘は鳴る。
(…)
時が分け隔てなくすべての人をつなぎ、ずっと途切れることなくつづいていくように。
時計塔と和光は、これからもこの街の文化を大切にしながら歩みつづけます。
あなたの心に響く、美しい鐘の音とともに。

銀座和光ディスプレイより 2022.6.18
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 時計塔は、普段は気には留めませんが実はいろいろなところにありますね。東京や大阪などの都心には百貨店とよばれる商業施設がありますが、ここにも時計塔があります。例えば東京、浅草の松屋浅草はその北側の外観の一番上の部分に時計塔が設置されています。

 これは実は1974年の改修工事の際に、全面が補修材で覆われて一時はなくなっていたとか。ですがその後2012年の再度の改修によって、外壁は建築当時のネオ・ルネサンス式のものになり、時計塔も復活しました。浅草の時計塔は鳴りませんが、しかしそこに時計塔があるということがその地域の人にとっては大きなことのように思います。浅草といえばさまざまなシンボルがありますが、東武の電車が乗り入れているこの松屋浅草の概観は、わたしにとって思い出の一つでもあります。
(トップの写真はわたしが今年の7月に撮影したものです。青空に時計塔が映えます。)

 街の人々に時間を伝えるものとして、時計塔がその中心にあった。「街」とはそのようなものかもしれません。スマートフォンが普及して時計を身につけなくてもよくなった時代かもしれませんが、「街」のシンボルはいつまでも人々にその鐘の音で時を伝え続けてほしいなと思います。

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