言葉について考える。4 パイドロス「知る」

 昨日は「パイドロス」の中で説かれている、書かれた言葉について考えた。「パイドロス」の中に登場する知者タモスは、書かれた言葉は本当の意味での「知恵」には相当しないと言う。

 さて、今日はその続きを読んでみる。

それに、言葉というものは、ひとたび書きものにされると、どんな言葉でも、それを理解する人々のところであろうと、ぜんぜん不適当な人々のところであろうとおかまいなしに、転々とめぐり歩く。そして、ぜひ話しかけなければならない人々にだけ話しかけ、そうでない人々には黙っているということができない。

「パイドロス」岩波文庫

 「パイドロス」は紀元前に書かれたとされているが、現代に通ずる。我々は「知る」をし過ぎている。いや、実際は何も知れていないのかもしれない。


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