就活中になぜ松屋の味噌汁を飲みたくなるのか?
4月も中旬にさしかかり、2020年新卒の就職活動もピークを迎えている。
就職活動が始まった3月は研究室をすっぽぬかして説明会に行き、その帰りに中之島でランチを食べ罪悪感を感じながらも優越感に浸る余裕さえ見せていた。
そうこうしているうち桜も咲き始める季節となり、3月中旬に出していたESもちらほら帰ってきた。
初めてのESの結果の連絡は、まるでAmazonから届いたダンボールを開ける時の様にワクワクした。
「末筆ながらかまぼこ様のご健闘をお祈り申し上げます」
その瞬間自分の中の自信が不安に変わった。
まるで桜が四月初旬を境に散り始めるように、私たちが希望をもちながら書いたESもどんどん散っていった。
それからはESの連絡が来る度、結果を見る前に題名を見るだけで通ってるかどうかわかるようになってきた。
「ごめん。ちょっと話したいことあるから時間ない?」
落ちているESのメールの題名の文字からは、別れる前の恋人のような雰囲気が漂っていた。
ぼくはもうだめだ、、、
どこも受かる気がしない
世間は華金だ
梅田は定時で上がり飲み歩いているサラリーマン、キャッサバのデンプンから作られる事も知らずにタピオカという味無きモノに価値を見出すJK、メジャーデビューを志しHEP前で自前の歌を披露する若者で溢れていた。
そんな賑わいとは裏腹に下を向きながら今日の面接の反省をしながら歩く僕。
気が付くとその目の前には黄色い光が差し込んでいた
松屋だ
そういや最近行ってなかったなぁ。
お店に入り、いつも通り大盛りを頼む。
そして頼んでは無いはずの味噌汁も一緒にきた。
そうだそうだ。松屋は味噌汁がついくるんだった。決して、就活生に限定でついてくるのではないと我に戻った。
久しぶりに飲んだ松屋の味噌汁は薄くて少し物足りなかったが、毎日採用と不採用の狭間で生きている私にとっては丁度いい味だった。
さて来週も頑張るか。少し気持ちが軽くなって、松屋を出る頃には軽やかなステップを踏んでいた。
「フォーン(通知音)」
おやおや。さっきつぶやいたツイートに誰か反応したのかな。
選考結果のお知らせ
これからできるだけ更新するのでよろしくお願いします。
松屋で食べる前の
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