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サングラス

悪目立ちを承知で、外出時はサングラスを装着していることが多い。
光よけと紫外線よけと埃よけが目的なのは当然なのだけど、「セレブand/orガイジン気取り」と「視線避け&視線隠し」の効果に期待している。
サルワール・カミーズを着て、髪型やアクセサリーもインドっぽい感じにしていると、ネパール人や北東インド人と判断される可能性がある。残念ながらそのような場合に不当な扱いを受ける恐れがあるので、自らの安全確保のため、「セレブand/orガイジン」感を醸し出せることを期待している。

インドの中でも特にデリーの人々は、眼光鋭く圧が強い、と思っている。チェンナイやムンバイだと、ここまでの圧を感じない気がする。おどおどキョロキョロしながら道を歩いていると、物売りや呼び込みにグイグイ迫ってこられる。うっかり視線が合うと、さらに厄介だ。サングラスがあると、そのあたりの不安がだいぶ軽減される。

逆に言うと、デリーの人々は目線でコミュニケーションを取ることがよくある。

私は正直、「初老のご婦人」なので、メトロ車内で立っていると、しょっちゅう席を譲られるし、席が空いたら教えてもらえる。何なら、東京の電車と同じく7人がけの席を詰めて、スペース作って8人めとして座らせてくれることもある。そんな時に、だいたい「マダム」と声をかけられるけれど、目線だけで誘導されることもある。スカーフを被って目だけ出したお姉さんがクイッと視線で空席を示す。気が抜けない。

ファーストフード店では、客側がトレーを片付けることはない。店側の片付けスタッフが、放置されたテーブルのトレーを回収する。食べ物が終わって飲み物だけをタラタラ飲んでいると、「トレー回収してもいい?」と無言で目で訴えてける。そしてこちらも、「持ってって」とアゴをしゃくって返事をする。

オートリクシャのドライバーも、目線でコミュニケーションを取っている。シェアオートを運転しながら途中で追加客を拾うべく視線を走らせているドライバーに、ガッと視線を向けると速度を落として近づいてくれる。
先日、サングラスをはずしてガッチリ視線を捕まえ、「メットロー!?」と叫びながら若干まだ動いているシェアオートに乗り込む自分に驚いた。慣れるものだ。

インド人のしょうもないショート動画で、東アジア人の小さな目をバカにする動画があるのだけれど、潜在的に「そんな小さな目ではコミュニケーション取れないじゃないか」という疑問や不安を覚えるのかな…なんて思った。

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