見出し画像

チャーミングなひと。

今日はみねこさんの話。

身内ですが、敢えて「さん」付けで書くことにしました。
その方がしっくりくるキャラクターなのです。


あれは乳がんの治療中、悪性リンパ腫(脳)になり、寛解後1度目の再発時のこと。

東京から地方の入院先へと見舞いに向かう。
病室を開けて「みねこさ〜ん」と呼びかけながら、久々に顔を合わせる。

とても嬉しそうな顔で、
「あら!どちら様かしら?」と、みねこさん。
みねこさんは冗談が好きなのだ。
看護師さんに毎朝名前を聞かれる時にも、よくとぼける。

「さて、誰でしょうか?」とニヤニヤしながら答える。

みねこさんはニコニコしながらも少し困り顔。

「はて。どちら様でしたっけ?」と。

あぁ、本当にわからないんだな、今度は。
と思いつつ、それはそれでいいかなと直ぐには名乗らず会話をする。

みねこさん的には、忘れてしまうことがとても嫌なようで、
「どうして忘れてしまうのかしら、、、私。」と、聞いてくる。

「さぁ、どうしてだろうね〜。」と、答える。

「不思議だねぇ。」と、みねこさん。
「不思議だねぇ。」
「なんでだろうね〜。」と、私。

すると、みねこさん。
ベッドに横になりながらも、激しく腕をくねくねさせて、
「なんでだろう〜ぉなんでだろう〜♪」と歌い始めたのだ。茶目っ気たっぷりの表情で。

突然のことに、衝撃を受ける。
お腹抱えて笑いに笑った。

「え〜!娘の名前も思い出せないのに、それは覚えてるの⁉︎」「お笑いってすごいなぁ。」と、私。

「ねぇ、すごいね〜。」と言いながら、何度も腕をくねらせて口ずさむみねこさん。

あの瞬間は、いろんな思いや疲れも吹き飛んで、ただただ笑った。
涙が出るほど笑い転げた。

母は特にテツandトモさんのファンという訳でもなかったのだけど、印象に残るフレーズだったんだね。

あの日から私は、ずっとテツandトモさんに感謝している。
テレビでお見かけする度に、心の中で手を合わせる。
ありがとう!テツandトモさん。

闘病生活はついつい深刻になりがちだけど、人生は続いていて、美しい瞬間に溢れている。

#乳がん #悪性リンパ腫 #ありがとう #テツandトモ #笑い

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?