「牛乳」を知っていますか?

岸田総理が「牛乳をいつもより1杯多く飲んでいただく、料理に乳製品を活用いただくなど、国民の皆さんの御協力をお願いいたします」との呼びかけを行っているそうです。
新型コロナの影響で需要が減少したことから、牛乳などの原料となる「生乳」がこの年末年始に大量に余り、5000トンが廃棄される懸念が出ている状況を考慮しての発言のようです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0d35331be6a30df74758e3226726993eaf45c8e9

これを聞いて皆さんは、牛乳を飲みたいと思いましたか?

わたしは、ほんの3~4年前まで、牛乳大好きっ子でした。

朝食は毎朝牛乳。
小中学校時代の給食の牛乳で身体が慣らされてしまったのか、食事に牛乳を合わせる事に、何の抵抗も感じませんでした。

それが今では、一切牛乳を飲みません。
お菓子やミルクティーを頂く事で、間接的に牛乳を摂取することが、時折あるくらいです。

理由は、牛乳が嫌いになったから。

というよりは、「牛乳」を知ったからです。

多くの日本人が、好むと好まざるとに関わらず、牛乳を飲もうとするのは、「健康に良い」というイメージがあるからだと思います。
「牛乳はカルシウムが含まれているから骨が強くなる」だとか、「牛乳を飲めば背が伸びる」などという主張が、疑問を持たれつつも、半ば常識となっています。

そもそも、日本人が牛乳を飲み始めたのは第二次世界大戦後。
アメリカからの援助物資として、脱脂粉乳が入ってきたのがきっかけです。
牛乳にカルシウムが多く含まれているというのは、間違ってはいません。
ただし、そのカルシウムをわたし達が体の中に取り込めるかどうかは、別問題です。
牛乳のカルシウムは乳糖の中に含まれている為、カルシウムを体内に取り込む為には、体内で乳糖を分解しなければいけません。
乳糖は、「ラクターゼ」と呼ばれる消化酵素の働きにより分解されますが、なんと、日本人の約85%は、この「ラクターゼ」を持っていないのです。
つまり、日本人の多くは、牛乳のカルシウムを、体内に取り込むことが出来ません。

とすると、こういう人が出てくるかもしれません。少数派だが、ラクターゼという消化酵素を持っていれば、牛乳を飲んでも問題ないではないかと。あるいは、カルシウムを体内に取り込めなかったとしても、牛乳の味が好きだから飲みたいと。

ここで注目したいのは、牛乳というのが、どのように製造されているのか、ということです。
現在では、多くの乳牛にとって、エサはトウモロコシです。もともと牛は草食動物ですから、本来ならば牧草牛を食べて育ちます。
それが、乳牛を、牛乳を生産する商売道具として考え、何よりも先に効率を重視する人間によって、トウモロコシを食べさせられている状況にあるのです。
当然、自然に背いた状況で飼育された牛は、生物としてひ弱になってしまうので、病気にならないように多量の抗生物質を与えられ、成長促進剤を投与されています。
わたしたちが普段、口にしている牛乳は、そういう乳牛から出る乳です。

もう一度聞きます。

皆さんは、牛乳を飲みたいですか?

わたしは、飲みたくありません。誤解のないよう言っておくと、なかには、少数ですが、自然本来の育て方で生産された牛乳もあります。そういう牛乳や乳製品は、たまに頂きたいです。(例えば、https://www.kisuki-milk.co.jp/

でも、そうでない牛乳は飲みたくありません。
牛乳があまっている状況をどうでもいいとは思いませんが、自分の体、健康を犠牲にしてまで牛乳を飲む事は、申し訳ないですが、出来ません。
それに、わたしにはどうも、「牛乳があまるからたくさん飲め」で済まされるような、単純な問題ではないように思います。状況は、もっと複雑です。

わたしがここに述べたことは、牛乳生産に関わる真実の、氷山の一角でしょう。お金を取り巻くもっと色々な真実が、きっと潜んでいると思います。
牛乳だけではありません。人間が生きる上で最も重要な「食」は、戦後、ビジネス最優先の多国籍企業を中心として、食い物にされてきました。

もちろん、それでも牛乳を取り扱う会社を助けたいから、「自分は牛乳を飲む」という選択をとる人がいていもいいと思います。
何を選択するかは、その人の自由ですから。

ただし、その前段階として、普段自分が口にしているものについて何も知ろうとせず、企業や政府の言う事をそのまま鵜呑みにすることは、自分の健康を他人任せにするのと同じことです。

クリスマスに1人ぼっちで過ごすことを憂えている暇があるなら、もう一歩踏み込んで、食について考えてみたらどうでしょうか。
落ち込んでいる暇なんか、ありません。日本、そして世界の食事情については、考えるべきことが、まだまだ、たくさん、あるのです。

※本記事は、下記の書籍を参考に、情報をまとめております。
南清貴(2018年) 『じつは体に悪い19の食習慣』 ワニブックス 
https://www.wani.co.jp/event.php?id=5708

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