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母との時間(9)

前回の続きです。


ターミナルケアと緩和ケア

緩和ケアは、重病に対する治療を開始するタイミングとほぼ同じ時期に開始される事が多い。
治療に対する痛みをやわらげ、精神的、肉体的苦痛を和らげるとともに、ケアを行っていく。

ターミナルケアは、残された生活の質を維持させることが目的。
延命治療はせず、人生の残りの時間を自分らしく過ごし、最後を迎えられるようにする。
延命しないため、心肺停止しても蘇生しない。

母は、転院してからターミナルケアとした。
今回で4回目の選択。
母から言われてきたけど、自分に言い聞かせながら書類にサインする。

個室だったことから、携帯で話すことも可能だった。
こちらから電話するより、かけてもらう。 

木曜日だけは、日中の仕事だったため、夕方からゆっくり母との時間としてきた。

面会が出来るようになって病室に行くと、私の顔を見るなり、ハラハラと涙する母だった。

昨年の十六夜杯で投稿させて頂いた短歌です。

毎週末は、280kmを往復。
夫も頑張ってくれた。
好きなものを作って、クーラーバックに入れて持っていくと、少しだけど食べてくれる。
美味しい…と、笑顔が返ってくる。

昨年、息子の結婚披露宴では、ラインで画像を送って見てもらえた。
そして、病室と披露宴会場を結んで、新郎の息子と電話で話せたことを思い出す。
嬉しそうな声と、張りのある声だった。

その4日後に個室からナースステーション隣の部屋に移動したことで、電話もままならずで、祈るばかりの毎日だった。

そして、病院から逢いたい人に合わせてあげてください

との連絡だった。

10月31日

うさ息子のリゲルがお月さまに帰る。

このタイミングは、辛かった。

病院から、持ち直しましたとの連絡があったのがリゲルの初七日だった。

リゲルは、私達を見守ってくれてる。
母に、頑張れって言ってくれてるようだった。
11月12 日は、義母の3回忌。
この週は、顔を見に行けずだった。
妹から、11月19日(土)から感染症対策で面会が予約制になるとの連絡がきた。

夫が風邪からか咳が気になる。

悩んだ末に、11月20日(日)面会の予約の電話を入れると、予約がいっぱいとのことで、他の日にとも言われた。

そうですか…静岡から向うこともあり、平日は行けないので…と、特別に17時からの面会を配慮してくれた。

この日が生前の母との最後の日となった。

明日は、母と過ごした最後の時間を綴ります。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。


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