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あなたの写真が変わる、背景の選びかた。【ブロガーのためのスクワット/第06話】

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ちなみに、前回の記事はこちら。

超実践、ブログ写真における画変わりと背景処理の話。

 第4話で書いたとおり、コンパクトな記事には3〜4枚の写真を盛り込むのが適している。また、文章を読み始める前に読者の目をグッと掴むため「画変わり」が重要だ。今回は具体的にどこで/どんな写真を撮ればいいのかを実践的に示していく。昨今の情勢もあって私の撮影する写真の9割が室内での静物撮影であること、とくにプラモデルやその製作風景を伝えるものに特化していることは最初にお断りしておきたい。とはいえ、食事を撮影するのもアクセサリーを撮影するのも、基本的な考え方は同じなので安心してもらいたい。

 まず屋外で起きたことを書き記したい場合の写真撮影について書いておこう。じつのところ、風景写真はあなたが移動しながら撮影されるものだから、同じような被写体を同じような距離/同じようなアングルで撮らない限り、写真には確実に変化がもたらされる。ロケは最強だ。雄大な景色を撮ったらグッと小さなものに近寄ってみる、昼のピーカンを撮影したら、朝や夜の薄暗い様子も撮影しておく。時間と移動が勝手に「画変わり」を作ってくれるのだ。

 よしんば撮った写真のなかに似たような写真が何枚かあっても、ひとつの記事に使うのは3枚〜4枚と決めたのだから、「明らかに違う景色に見えるな」と思えるものをチョイスして配置し、文章がちゃんと一気通貫してさえいれば大失敗することはない。「もったいないから、せっかく行ったから/撮ったから」と似たような写真を重複して選んでしまうことは避けよう。

▲植物園の中をプラプラ歩く4枚。遠近、上下で画変わりを作る例。

 ひとつ注意すべきことがあるとすれば、あきらかにダメなところで撮影するのは止めたほうがいいっすね。自分のブログでは(トラブルが発生しても自分で責任を取る、という前提さえあれば)どんな写真をUPしようが本人の問題だが、どこかに寄稿するのに見知らぬ人の顔がガッツリ写っているとか、市有地/立ち入り禁止/撮影禁止の場所で撮られた写真を入れ込むのは明らかにNGだ。

 ところで、屋外でガッシャンガッシャン写真を撮る人は本当に減った。撮るのはいわゆるカメラ・オタクかインスタグラム文化圏に生息している人(とは言えそのほとんどがスマホ撮影だし、いまや静止画より動画のほうが明らかに勢力を伸ばしていると感じる)。カメラをぶら下げ、屋外でスチルを撮ること自体がややポピュラーとは言いづらい特殊な趣味になりつつある。

 反面、スマホがあるおかげで写真を撮るコストが下がった結果、従来ならわざわざ記録されなかったであろう「家の中のモノやヒト」の写真はここ20年で圧倒的に増えたし、インターネットを通じてそれを目にすることも多くなった。じつは、nippper.comに寄せられる記事で私が気を配らなければいけないのはこれら屋内で撮られた写真の扱いだ。屋内は写真を撮影するのにもっとも必要な「光」に乏しく、さらに写ってほしくないところもたくさんある。勢い撮影する場所が限られ、「画変わり」が壊滅的に乏しくなる。

 家の中で料理を作るのはフライパンの上、食べるのはテーブルの上。アクセサリーを並べるのはテーブルの上。プラモを作るのはカッターマットの上。どれも当たり前なんだけど、いつもの場所でスマホを何の気なしに構えると、4枚撮ったら4枚とも当たり前の似たような景色になってしまう。被写体はこれ以外にもいろいろあるけど、以下それぞれにおける画変わりの方法を考えてみよう。

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