【開け、奈良~一句から始まる奈良めぐり~】第一句 青丹よし
俳人としても活躍する編集者で文筆家の倉橋みどりが贈るショートエッセイ。奈良で詠まれた一句、奈良を詠んだ一句から、奈良の歴史へ人へと思いをめぐらせます。
「青丹よし」とは言うまでもなく奈良の枕詞。「万葉集」の「あをによし寧楽の京師は咲く花の薫ふがごとく今盛りなり」(小野老)の有名な一首を思い浮かべる人も多いだろう。この言葉で始まる、好きな一句がある。
青丹よし奈良の毛虫におののくよ 平畑静塔(1905/明治38年~1997/平成9年)
奈良公園だろうか、木々の間を俳句