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【第6冊目】国家と革命(レーニン)

第6冊目について記述します。

国家と革命」(レーニン)岩波文庫

皆さんは、「レーニン」と聞くと、どのようなことを想像しますか?ソビエト連邦が崩壊して、30年近くが経過した今、世界史上の存在となってしまったソビエト連邦の成立に深く関与した革命家というレーニンの名と業績を知っている若い人は、少数派かもしれませんね。

私は、厳密にいえば、いわゆる社会主義者ではないのですが、マルクス・レーニン主義という思想体系の下で成立していたソビエト連邦という国家が存在したことを考えたとき、その理論的意義と社会主義体制について検討し、現代の資本主義社会においても、社会主義体制の良いところは取り入れられるのではないかという考えがあります。もちろん、現在のロシアもその流れは引いているわけですが、その社会的影響力は厳然として強いものがあり、国際社会において存在感を発揮しています。私は、個人的に、ロシア語を履修し、また、新潟という土地は、ロシアとも深い関係があることから、ロシアには親しみがあります。

この「国家と革命」という書物は、レーニンがロシア革命時に執筆したもので、その内容は、かなり刺激的なものです。現代の日本で、社会主義革命が起こることは考えにくいことですが、国家の存在と、革命というものを、理論的に考えているこの書物は、国家というものをどのように考えるかを検討する上において示唆を受ける非常に有益な史料です。一種の国家論ともいえるでしょう。思想やイデオロギーの欠如は、人間の頭脳活動にとってはマイナス要素で、硬軟の差はあれど、何らかの思想信条を有しているということは、人間としての存在の証のようなものだと私は考えています。

一つの国家を建設した指導者の思想に触れることにより、現代日本の若者にも、国家というものを考えるきっかけに本書がなることを期待します。


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