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人口減少対策として「移住推進で人口を増やす」ことに意味はあるのか?

私の住む長瀞町は埼玉県北部の県内で一番小さな…というか人口の少ない町です。観光ではまあまあ有名で年間300万人の観光客が訪れますが、人口は6600人しかいません。町でも移住推進のためにいろいろ対策しているようですが、少子化と若者の流出、高齢者の死亡もあって、年々人口は減少し「焼石に水」感は否めません。予測では2045年には半分くらいになってしまいます。

人口減少は我が町だけの問題ではなくて、日本全体で見ても深刻で・・・

2100年には明治維新の頃の人口になってしまうと予想されています。
ということは地方でいくら人口を増やそうと努力をしてもただ少なくなっていく人を取り合いしているだけなのでいくら頑張っても今の現状を維持することは不可能だと考えれらます。

人口減少対策としての『空き家バンク』

実は私は今から17年前の2006年に都会から秩父への移住を推進していこうと有志7名で「田舎生活創造工房」というグループを立ち上げました。
田舎暮らしの夢を持った方に対して様々な情報を提供し、土地探しから住宅建築、更には生活のサポートまでをトータル的にサポートしながら、都会から秩父への移住を推進して参りました。

2011年、この田舎生活創造工房で使っていた不動産情報サイトと移住相談のノウハウをそのまま利用して、秩父地域の1市4町の行政と田舎生活創造工房のメンバー(のちにFIND秩父ちかいなか分科会)、宅建協会の3者で「ちちぶ空き家バンク」を立ち上げました。私も数年前まで「ちちぶ空き家バンク推進会議」のメンバーとして活動していました。

田舎生活創造工房及びちちぶ空き家バンクの活動をしていて感じたことは…

あまり大きな声では言えませんが「移住希望者の質がめちゃくちゃ低い」ということ。語弊がありそうなのでここではどう「質が低い」とは書きませんが「こんな人には移住してきて欲しくないなぁ」と思うような人がたくさん問い合わせしてきてました。

いくら人口を増やすため…と言ってもそういう人が移住してきて問題を起こしたり、地元の住民と揉めたりしては本末転倒なのですが、行政が絡んでくることによってそういう人の選別ができないという問題もありましたね。

私なりの町の人口減少対策

ではここで、私なりの町の人口減少に対する考え方をまとめてみたいと思います。私は政治家でもなければ役人でもありません。なのでいろいろツッコミどころはあると思いますが、単なるそこらのおじさんの戯言として聞き流してもらえればと思います。

3000人でも豊かな町

先にも書いた通り、人口減少はもう避けられません。また移住者の取り合いも俯瞰して見ればなんの意味もないことは明らかです。
なので私は人口の現状維持よりも半分の「3000人でも豊かな町」というのを目指すのがいいのでは?と思います。

1. 志をもった若者移住希望者への支援

先程の「質の低い移住希望者」ではなくて、「志をもった若者移住希望者」は大歓迎だと思います。長瀞町は幸いにして多くの観光客が訪れてくるので、若い人の知恵を取り入れればまだまだ観光業は発展できると思います。

国の政策ですが「地域おこし協力隊」なんかはとてもいい効果を発揮している政策だと思います。志をもった若者が町のあちこちでそれぞれ個性的な活動をすることで町に住む人にも影響を与え、さらに任期満了後はそのまま移住して、新しい事業を起こして更に町の活性化につながる…といった効果が期待され、実際に実現されています。

こういう若者たちへの支援を国とは別に町としてもスタートアップ支援や住宅補助などいろいろできるのではないかと思います。

2. 富裕層の移住推進

人口が減少していちばん問題なのは…税収の問題。現状でもいつ破綻してもおかしくない状態なのに人口が半分になってしまってはやっていけないのは明らかですね。では一体どうすればいいのか?

富裕層に住んでもらえばいいのでは?

と私は思います。年収数億円の人が納める住民税と年収500万円の人が納める住民税を考えると数億円の人がひとり移住してくるだけで何十人、何百人分の税金をひとりで納めてくれます。

そこで…

「年収1億円以上の人の住民税を半分にします」

という条例をつくって、多くの億万長者に移住してもらったらどうでしょう?年収1億円以上なら半分の納税額でも我々一般庶民が納める住民税よりか全然多いでしょう。富裕層も納める住民税が半分になるなら移住してもいいかな?と思ってくれるかも知れません。まあ法的に税金を半分にすることは難しいかも知れませんが、それと同程度のメリットを提供することならできるのではないでしょうか。

またそういう富裕層の人たちが住んでくれることによって町への経済効果も期待でき、また田園調布ではないけれどもそれなりにリッチな雰囲気の町並みも形成されるかも知れません。

3. 人手不足対策としてのイノベーションへの補助

人口減少によって既存産業においては人手不足が深刻になると思われます。これは全国的にみても同じことが言えるので、将来的には機械化やロボットの利用など画期的なイノベーションが起きるのは間違いありません。
それに先んじて町としていち早くそのイノベーションを取り入れるために積極的に企業への支援をして、日本でいちばん先進的な地域となっいければいいのではないかと思います。


以上、夢みたいなことをあれこれ綴ってみましたが、たまにはこういうことに頭を使うのも面白いですね。

今度は若者たちと酒を飲みながらこういう話をしてみたいなぁ…


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