見出し画像

広島県広島市|見知らぬ人との会話の記録

2024年6月2日(日) 

 朝、鳥取を出て出雲を経由して広島入り。広島蔦屋書店の「広島本屋通り」に立ち寄った。
夕方に広島駅前まで戻ると、宿泊先のホテルの近くに料理屋があったので夕飯を食べに入った。

 カウンターに案内され、せっかく広島に来たので生牡蠣と牡蠣フライ、それに特上寿司を頼んだ。
 店員さんはご年配の女性たちで、僕の母ほどお歳の方たちばかりだった。「お兄さんお待たせー」と気さくな感じで生牡蠣を持ってきた。
 烏龍茶を片手に「お兄さんおまたせ」と頼んだ料理が次々と目の前に運ばれて来る。
 


頼んだ料理をペロリと平らげ、カウンターの前の生簀を泳ぐカワハギを眺めていると、先ほどの女性が空いたお皿を片付けにきた。
「お兄さんお料理どうでしたー?」とお皿をまとめながら聞いてくる。
「とても美味しかったですよ」というと、「そう、よかったー」と言いながら女性は手に取った皿に目を留め「あ、お兄さんここ一番美味しいのよ」と
僕が残したエビの頭の部分を指差した。
「あ、そうなんですか」というと「ここ、この上の部分に身がたっぷり残ってるでしょ、ここが美味しいのよ」と説明するので僕は「へぇー」と言いながらエビの頭をつまんで齧り付いた。
エビの風味と香ばしい塩っけが絶妙で確かに美味しかった。
「うん、たしかに美味しい!」というと、今度は「これも食べないの?」と、残した生姜の角切りを指した。
「すみません、生姜単体が苦手なんですよ」と流石に辞退を申し出てみたが女性は引き下がらない。
「この生姜は評判いいのよ、食べてみなさい」と推してくる。
旅先で出会う人のこの強引さ、嫌いじゃない。
「そうなんですかーじゃあ」と箸でつまんで口に放り込んだ。シャキッと噛むと甘い生姜の味が口いっぱいに広がった。確かに美味しい。
「ああーこれも美味しいですね!」
女性は「でしょー!」と破顔した。
「やっぱりお母さんのいうことは聞くもんですねー」と冗談をいうと「そうよーお母さんのいうことはいつも正しいのよう」とまた大きく笑った。


最後までお読みいただきありがとうございました。 投げ銭でご支援いただけましたらとても幸せになれそうです。