見出し画像

理念とは作家性である。

こんにちは!サインコサイン代表の加来幸樹です。「自分の言葉で語るとき、人はいい声で話す。」という信念のもとで、企業や個人のアイデンティティをあらわす言葉やあれこれを共創する毎日なのですが、そうするとどうしても避けられない大きな問いのひとつが「理念とは何か?」という問いです。

これまでも羅針盤だとか覚悟の象徴だとか叶えたい理想を宣言するものだとかいろんな解釈をしてきたのですが、このたび新たな着想を得ましたので言語化してシェアしてみたいと思います。短い内容なのでもしよければスクロールお付き合いください。

理念が証明するのはそれぞれの違い

まず当たり前の話ですが、ひとつひとつの企業にはひとつひとつの理念があり、ひとりひとりの人間にもひとりひとりの理念があります。企業の数だけ人の数だけ理念があるという事実はそれぞれが「違う」ことの証明であるとも言えますよね。

みんなちがって、みんないい。」という金子みすゞさんの詩の一節が最近あらためて好きなのですが、それぞれ異なる企業理念のもとで展開される事業も、それぞれ異なる個人理念の先で描かれる人生も、それぞれとても面白いものだなと僕は感じています。

ひとつひとつの理念の先で、
ひとつひとつの芸術が生まれる

この面白さは何なのか?突然ですが、それは「芸術」のような面白さではないか。ちなみにgoo辞書によれば、芸術とは「特定の材料・様式などによって美を追求・表現しようとする人間の活動。および、その所産」とのこと。

企業の経営にも、人生の経営にも、あらかじめ用意された目的も正解もありません。しかし「事実は小説より奇なり」ともよく言ったもので、それぞれ異なる理念のもとで何かを追求・表現して「奇なるもの」が生まれ続けているのです。何かを、始めたり辞めたり、拾ったり捨てたり、買ったり負けたり、泣いたり笑ったり、している。それらは本当に素晴らしく愛おしく面白く、そして美しいことだと僕は思います。

そして、そんな悲喜こもごもの根底に理念というそれぞれの美意識があるのならば、そのひとつひとつはもう「芸術」と捉えられないでしょうか。

それならば「理念」とは、企業活動という芸術作品の、人生という芸術作品の、ブランドという芸術作品の、「作家性」となるものではないか、というのが本論の趣旨です。

芸術における作家性の役割

ピクシブ百科事典によれば、作家性とは「クリエイターが創作を手掛ける際に、作品にその人特有の個性やメッセージ性が特徴や作風となって現れるさま、その傾向。」とのこと。

これもまた正解なき作品作りにおいて、基本的に作家性なくして新しい作品や面白い作品が生まれることはありません。そして常にそんなことを気にかけているかはさておき、あなたが映画や音楽、マンガや小説などを選んだり評価したりするとき、それらの作家性が大きく影響していることも間違いないはずです。

企業や人間の活動においても、理念という作家性がその創出の原動力となり、共感し選択しあうトリガーの役割を果たしているのではないでしょうか。そして、ここではそんな「理念(作家性)」に基づいて生み出される活動のことを「(作家による)作品」として表現したいと思います。

理念を体現することで、
法人も個人も作家になる

企業理念に沿って、新しいサービスを開発したり社内制度を設けたりする。個人理念に沿って、住む場所を変えたり、時間の使い方を変えなかったりする。大きなことでも小さなことでも、そんな活動のひとつひとつは、作家としての法人や個人が生み出している立派な作品

自分だけの理念を掲げ、それに即した選択や行動を行うとき、あらゆる法人も個人も作家になるとも言えますし、理念として掲げられていなくても自分らしいあえての選択や行動を行ったと思えることがあればきっとそこにあなたの作家性のヒントがあるとも言えます。

作家性をともに見つける仕事

個人的には「作家性」は新たにつくるものというよりも「自分の中から発見するもの」という感覚が強くあり、サインコサインではそのお手伝いをさせてもらっているのかなと思っています。

この仕事をやる理由は以前のnoteでも書きましたが、その面白い作家性から生まれる面白い作品を見たいから。そして、心中してもいいと思えるくらいの好きな作家と出会うためと考えるとなんだかとてもしっくりしまだまだ前に進める気がしてくるのですよね。

だからこそ、法人や個人の作家性の言語化はもちろん、そこから作品が生まれたり、その作品に出会う人が増えたりするための支援や機会づくりも今年はより積極化していきます!

新年にあなたの作家性を発見/再発見しませんか?

そんな新たな決意にも関連するお知らせを最後に一点だけ!例年より少し遅くなりましたが、今年もやります「人間理念展@人間レストラン

今回のコンセプトは「 #そんな人間にわたしはなりたい 」ということで、理念を掲げることで自身の選択や行動にどのような変化が生まれるのか?を考えるきっかけとなるパネル展示や体験コンテンツを用意する予定です。

そして、もちろん来場者の皆さんの作家性をあらわす「個人理念」を共創するセッションも、お年玉特別価格(30分5,000円)で実施させていただきます!(※お知り合いへのお声掛けも大歓迎です!)

注:今年はグラレコはありません。個人理念の共創のみとなりますのでご了承ください。

会場で実施できるほうが嬉しいですが、来場が難しい方はオンラインでも実施可能です。こちらから事前予約いただけると確実に対応できますので、よろしければぜひ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?