ニンジャいろは歌(フジキド・ケンジver.)

あれから
つねにふんぬわき
みはちにそまりゐる
さいしとせのため
むくろをぼひようへすゑ
なおもやこえてゆけ

あれから
常に憤怒沸き
身は血に染まり居る
妻子と世のため
骸を墓標へ据え
なおもや、越えてゆけ

『ニンジャスレイヤー』は、Twitter上で翻訳連載されているサイバーパンクニンジャ活劇小説(ブラッドレー・ボンド、フィリップ・ニンジャ・モーゼス著)です。

上記した歌はそのニンジャスレイヤー1~3部の主人公として登場する、フジキド・ケンジをイメージして作りました。
(「いろは」とは、日本語の「あ・い・う・え・お」から「わ・を・ん」までの46文字に、「ゐ」と「ゑ」の2文字を加えた全48文字を、過不足なく一回だけ使って意味の通る文章に組み立てるものです。)

フジキド・ケンジは1部の始め、ソウカイヤのニンジャに妻子を殺されます。そしてその怒りからニンジャを殺すもの、すなわちニンジャスレイヤーとして、自身もニンジャの一人となります。彼はそれ以来ソウカイヤのニンジャをとにかく殺して殺して殺しまくって、1部の最後にはソウカイヤのボスと闘うことになります。

もともと平凡なサラリーマンであったはずのフジキドは、ニンジャになった時を境に闘い続けることになります。部が進むと共に彼の中にある守りたいものやエゴ、怒りの鉾先などは変化していきます。しかし、やはり彼は運命から逃れられない悲しみというものを常に背負っている気がします。

上の歌はそんなフジキドが纏った運命の苛烈さをイメージしながら組み立てました。彼が自分の運命と向かい合い、時に倒れ、乗り越え、進んでいく姿を、これからも見続けていきたいなあと思っています。

※作成しているときの様子です。「せ」「ほ」「ぬ」あたりにてこずりました。