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会員様寄稿【恋愛小説】幸吉II (2)スナックでのひととき

幸吉は、夜な夜な青年会議所(JC)のメンバーと飲みに行っていた。花屋の経営は母と妻に任せている。
しかし、花屋はそう儲かるものでもなく、幸吉は他の稼ぎの良いJCメンバーを羨ましく思っていた。

その夜も、幸吉はJCのメンバーとの飲み会に参加していた。

間宮宏は鵜方で小料理屋を営む2代目である。彼も青年会議所のメンバーだ。

間宮宏:「幸吉さん、新婚生活はどうなんですか?さおりさんに尻に敷かれてるんじゃないですか?」

ごまかすように笑って、「いやいや、そんなことないよ。さおりは理解があるから助かってるんだ。」

間宮:「ほんとですか?幸吉さん。しっかりしないとそのうち捨てられますよ。」

幸吉:「大丈夫だって。俺にはJCがあるから。」
と自信満々に答えた。

飲み会は二次会へと続き、いつもの鵜方にあるスナックに向かった。そこには幸吉お気に入りの女がいる。
女の名前はなおみ。年齢は29歳。
店に入ると、彼女がすぐに隣に座った。

なおみ:「幸吉さん、今日も来てくれて嬉しいです。何を飲みますか?」

幸吉:「そうだね。いつものウイスキー、炭酸割りで」

彼女は手際よくお酒を作り始めた。その姿を見つめる幸吉は、彼女のプロフェッショナルな仕事ぶりに感心していた。

「ありがとう、なおみのおかげで今夜も楽しいよ。」

なおみ:「幸吉さんが楽しんでくれるのが一番です。さあ、乾杯しましょう。」

幸吉:「そういえば、来月東京で総務省主催の勉強会があるんだ。俺も参加することになってる。」

なおみ:「へえ、すごいじゃないですか!東京なんて羨ましい。」

幸吉:「お土産買ってくるから、楽しみにしててくれよ。」

なおみは嬉しそうに笑った。「ありがとう、楽しみにしてます。でも、幸吉さんもお仕事大変でしょうから、無理しないでくださいね。」

幸吉:「大丈夫だよ。君の笑顔を見れば、どんな疲れも吹き飛ぶんだ。」

なおみ:「幸吉さん、お世辞が上手ですね。でも、そう思ってくれてるなら嬉しい。」
なおみの笑顔に日頃の疲れも癒される

酔いの回ってきた幸吉は、

幸吉:「今日はありがとう。そろそろ帰るよ。」

なおみ:「えー、もう帰るんですか。寂しいです。」

幸吉 :「明日も仕事で忙しいからね。」

なおみ:「また来てくださいね!」

幸吉は会計を頼んだ。「会計をお願い。」

幸吉はJCの経費で支払いを済ませた。これがあるからJCの活動を幸吉はやめられないのである。

幸吉:「今日はJCの経費で支払っておくよ。これもJCの特権だな。」

なおみは微笑んで言った。
「JCっていいですね。幸吉さん、気をつけて帰ってくださいね。」
彼女が嬉しそうに笑う。


店を出て車に戻る。代行を頼むお金がないことを思い出した幸吉は自分の車で寝ることにした。

車に戻ると、さおりに電話をかけた。

幸吉:「今日は車で寝るよ。」

さおり:「わかった。気をつけてね。」

朝が来ると、車の中で頭痛と共に昨夜の出来事を思い出した。彼は一度深呼吸し、車の窓を開けて新鮮な空気を吸い込んだ。

幸吉:「そうだ、今日の花の配達はさおりがやってくれるんだったな。さおりには本当に感謝しないとな…でも、今日は花屋に戻る前に一度家に帰ってシャワーを浴びよう。」

エンジンをかけて自宅へと向かう幸吉であった。

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