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第100段「テレビの音は、滅びの音か。」

テレビのバラエティ番組観てると、驚いた時の「おー!」だの「えー!」だの歓声の効果音が付くけど、最近大げさな明らかにリアルでない嘘くさい歓声が付いてる番組が多いのは気のせいかな。自分がやってた時は大げさでヤラセくさいのが嫌で極力抑えてたんだけど。もうそんなコト関係ない時代なのかな。

バラエティ番組のサブ出し映像の音楽もそう。どの番組でも聞いたことのある使い回した音楽が、おどろおどろしい時はこれ、勇ましい時はこれ、感動的な時はこれ、とほぼ決まって使いまわされてる。テロップの入れ方とかナレーションとか、内容云々以上に、演出の細かいとこの稚拙さが激しい感じがする。

昔僕が「金スマ」やってた15年前に、裏番組で「もののけ姫」放送されるので、対抗してサブ出しの再現Vの音楽を全部、久石譲さんの音楽に付け変えてみたら、すごく再現Vのクオリティが上がったことがある。どの場面でどの曲を使うかって物凄く大切な行為なんだけど、最近の現場では軽視されてる気がする。

毎日大量のバラエティ番組が作られて、でもその中で各テレビマンが細部の演出色々試してみて、そこからアバンの作り方とかテロップの出し方とかワイプの入れ方とかナレーションの持ってき方とか、色々イノベーションが起こってきたんだけど、なんか最近止まってる気がする。テレビ文化自体の劣化。

イノベーションが内部から出てこなくなった文明は滅ぶ。決まりごとの繰り返し。繰り返しへの飽き。それは成熟ともいうけど、儀式化して制度化して慣例化して、さらに新しいことをやること自体が躊躇され嫌悪され、しまいには禁止される。

テレビもそうならなきゃいいけど。orもうそうなってるのか。


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