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第72段「強くなるために強みを放棄してよいのだろうか?」

『ヨーロッパ文芸フェスティバル』に行ってきた。
https://eulitfest.jp/

「ヨーロッパ各国の作家や翻訳者が日本の識者と共に朗読やレクチャー、対談、パネルディスカッションに参加。さまざまなイベントを通じて注目のヨーロッパ人作家や作品を紹介」

『ヨーロッパ文芸フェスティバル』で欧州作家の方や翻訳家のお話を聞く。
そこで紹介してた各国の作品。
全部読んでみたい。
もうずっーと本読んでるだけでもいいなって気がしてくる。

作品は僕には翻訳でしか読めないけど、漢字、カタカナ、ひらがな、ローマ字という表記法がある日本語は、実はかなり翻訳に向いてる言語なんだってことを知る。

つまり日本文化には、かなりの文化を受け入れる包容力と包括力が、もともと備わっていて、それが実はかなりの今までの日本と日本人の強みと先進性の原動力になっていたんだと思った。

翻って、今やそんなに読まれない小説の中でさらに読まれない海外の翻訳小説。
でもそれらを柔軟に包括的に取り入れてきたことが日本と日本人の一番の強みであって、それを忌避してる現状は文化の縮小を自ら進めてると感じた。そして、それが結局経済の衰退にもつながる。

本を読まない人へも簡単でわかりやすく、なんならマンガで無いと読めないからとそんな本しか売れない状態。どうセンセーショナルにブームを生み出していくかという観点だけが優先されてしまう。
そんな環境で観点で、本を売るために、結果その環境と観点がますます劣化していく。
その行為が実は文化の耐久性を弱め続けて、さらに本が読めない人が増えてさらに売れなくなる文化の縮小再生産。

強くなるために強みを放棄してよいのだろうか?

自戒を込めて、本当にそんな縮小再生産モデルに抗いたい。

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