vol.70 『清算のタイミング』

角田陽一郎のメルマガDIVERSE vol.70 2021年4月12日New Moon
『清算のタイミング』

ユニバースUNIVERSE(単一の世界)からダイバースDIVERSE(多元的な世界)へ
多視点(バラエティ)でみると、世界はもっと楽しくなる。
それが角田陽一郎の考えるバラエティ的思考です。まさにいろいろなことをバラエティに多元的に多視点で紐解くメールマガジンです。


■CM■「人生の星取表」inspired by【なぜ僕らはこんなにも働くのだろうか?】

今日4月12日は牡羊座の新月です。新月は、はじまるタイミングですが、この牡羊座の新月は、そんな中でも特に新しいことをはじめる、新しく生まれ変わるとっておきのタイミングなのです。
なので、ボクも新しく生まれ変わろうと思います。

ボクが2015年に出版した『成功の神はネガティブな狩人に降臨する-バラエティ的企画術』(朝日新聞出版刊)では、「人生の星取表」というトピックがあります。まずは、その記事を掲載します。

嵐山光三郎さんの『不良定年』という書籍を以前読んだのですが、38歳で平凡社を辞めて、フリーの編集者・作家になられた嵐山光三郎さんの「男たる者、不良オヤジたれ!」っていう彼の生き方を軽妙なエッセーで、おもしろいエピソードと共に指南していく書物で、見倣いたい『考え方』が随所に出てくるオススメの本なのです。その中で一番惹き付けられたのが、『人生十五番勝負』という章です。仮に人が現役でいられるのを七十五歳として、なのでそれ以上生きれば人生の優雅なるオマケらしいのですが、その七十五年を、相撲に例えて、十五番勝負だとすると、五年間が一勝負になり、現在、何勝何敗となるか?というものなのです。

ちなみに『不良定年』では、嵐山さんご自身の星取りが五年ごとに分析してあって『六十五歳の時点で七勝六敗である。できることなら、七十五歳まで生き延びて、勝ち越したい』とあります。そして「人生十五番勝負で全勝なんて人はまずいない」だろうし、「十三日目で全勝だの一敗だのの優勝圏内の力士は、さしておもしろくない。」ともあります。「八勝七敗で勝ち越しで、大逆転賞」って相撲がおもしろいんじゃないか!と。
僕もまさにそう思います。「人生振り幅が大きい方が、おもしろい」というのが、僕の信条でもありますし、その“不良”な生き方、物凄く共感するのです。

そして嵐山さんに倣って、まもなく(2015年に)45歳になる僕も現在までの星取り表つけてみました(笑)。現在九日目の勝負していることになります。

一日目(01~05歳)1970年―75年、勝ち○。
生まれてきたから、とりあえず勝ちとする。(嵐山さんと同じ考え方です)

二日目(06~10歳)76年―80年、勝ち○。
小学生、うん、まあ勝ちかな?いろいろ嫌なこともあったけど、やっぱ楽しかったから。

三日目(11~15歳)81年―85年、負け●。
中学生まで。うーん、負けだよな。なにせ全然もてなかったし(笑)。

四日目(16~20歳)86年―90年、負け●。
高校、浪人時代。今から考えるとめちゃめちゃ楽しい時代だけど、でも星取り的には負けかな。悶々としてたし。

五日目(21~25歳)91年―95年、勝ち○。
華の大学生時代!時はバブル。僕の人生的にもバブルでした(笑)。めちゃめちゃあの頃に戻りたい、一番楽しかった頃です。まさに大勝。

六日目(26~30歳)96年―2000年、負け●。
テレビ局に就職して、一転して辛い時期。もう会社でずーっと働いてました!そして気付いたら終わってました20代。悲しい。

七日目(31~35歳)2001年―2005年、勝ち○。
仕事も覚え、立場もよくなり、番組も好調!なかなか、よい時間を過ごしました。

八日目(36歳〜40歳)2006年―2010年、負け●。
ゴールデンの番組を無くし、新規会社を立ち上げる。すごく勉強になった年代ですが、結果的に結果を産んではいません。

・・・というような内容なのですが、今回は、それから6年経って2021年になった今現在、自分の人生の星取表のその続きを考えてみたいと思います。

九日目(41歳〜45歳)2011年―2015年、勝ち○。
震災で始まった2011年の41歳、そこから自分の考え方が、一変し、映画『げんげ』監督、独立採算番組『オトナの!』、ロックフェスの開催、書籍出版、等テレビ以外のこともやり始めました。2014年に中田英寿さんとブラジルにワールドカップを観に行き、偶然にも三浦知良さんと会食し、2015年にはイタリアに万博を観に行ったのが、この時期のピークで楽しかった記憶があります。日々悪戦苦闘しつつも、希望に満ち溢れて生きていた気がします!なので勝ちです。

十日目(46歳〜50歳)2016年―2020年、負け●。
46歳の2016年に、TBSを辞める決意をしました。そしてバラエティプロデューサーとして、2017年からフリーランスで頑張って来ました。
正直、そういう意味ではなんとかうまく上手に立ち回って生きて来たと思いますし、2017年には西麻布に自分のアトリエを構え、2019年には東大大学院に入学もしました。そんな最中にときたまこの星取表を思い出すと十日目も勝ちだと思っていたことが多い期間でもありました。でも、この2021年の夏に終わるこの十日目の終盤である、まさに今日(4月9日)に突如気付いたのでした。
それは、この2016年から2020年は、自分の人生の「負け」であると。

ここから先は

1,865字

¥ 300

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?