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スイカゲームの面白さについて考えてみた

 いや、別に話題のゲームのレビュー的なものをしようとか、そういうんじゃないんです。
 そもそもここ数年、ほぼ同じゲームをちょくちょくとだらだら遊ぶ感じだったのに、ここ最近に連続でハマったゲームがあっただけなんです。

 まあ書きたい事があった時用に、思い出したように投稿するためのアカウントなんで仕方が無いです。

 ちなみに、スマホゲームや最近のゲームには割と疎い気がするので、比較対象がだいたいぷよぷよかテトリスあたりになってしまいますが、ご了承下さい。

 あと、前回の投稿やそれ以前の投稿などで高評価を頂けまして、さらにフォローまでして頂けたのでありがとうございます。
 マジで書くことが無ければ放置するつもりの人間ですが、よろしくお願いします。


常に目的がはっきりして、進捗状況を見せつけてくる中毒性

 まずはここからですね、中毒性の話です。
 二つのフルーツをくっ付けたら大きなフルーツになる、というワンアイデアが本当に大勝利すぎます。

 つまり、今あるフルーツに対して何をすれば良いのか、という目的が常にはっきりと目の前に存在し続けるわけです。
 しかも、どれくらいの大きさのフルーツになったのかという事で、ゲームの進行具合も常に目の当たりに出来ます。

 ぷよぷよだと4つくっつけると消えますが、1個や2個の孤立したぷよに対しての目的が分かりにくく、常に誰にでも分かるという状況ではありません。
 それでも多くのゲームと比べれば、4つくっつけるという目的は分かりやすいと思いますけどね。

 テトリスも、一列並べるまで何個ものテトリミノが必要です。
 そして何より、置きミスをして地形が崩れたら、次に何をすれば良いかを見失ってしまう人が多いのではないかと思います。
 それでも、テトリスもまた分かりやすくて面白いパズルゲームの代表格なんですけどね。

 それに比べて、スイカゲームは本当に目の前のフルーツに対して何をすれば良いのかが明確で、しかも大きくしたいという欲が常に収まらず、ついつい続けてしまう中毒性があるのだと思います。


圧倒的に分かりやすいルール

 こっちから先に書こうかと思ったのですが、先に中毒性の説明をしました。
 その中毒性を分かりやすく伝えるための、圧倒的にシンプルなルールについて説明します。

 まあ見れば誰でもルールが分かる通り、ランダムで来たフルーツを落として、同じフルーツを2個くっつければ大きなフルーツに変化するというものです。
 一応ゲーム内で説明がありますが、特に説明が無くても問題なく遊べると思います。

 ぷよぷよが4個同じ色、テトリスが横一列、これらもルールとしては非常に分かりやすいパズルゲームなのですが、対してスイカゲームはたったの2個という異常なシンプルさ。
 操作ボタンにしても、ぷよぷよは左右に下と回転、テトリスはそれに加えて最近は上ボタンで即落下もありますが、スイカゲームは左右とAで落下のみ。

 しかも、そこまでシンプルなルールでさえ理解できないという場合でも、何とかなってしまうのがスイカゲームの恐ろしいところ。
 Aボタンを連打していれば物理演算で勝手に転がっていくので、それなりにちゃんとゲームになってしまいます。
 メダル落としみたいな遊び方ですね。

 子供やゲーム未経験者への最初の一本としては、究極のゲームなんじゃないかと思ってしまいます。


ゆっくり考える気楽さとリアルタイム性の共存

 特に時間制限が無いので、じっくりと考えられるので誰でも気軽に始めやすいですよね。
 なのに、物理演算で勝手に転がっていくので、途中で手を止めても微妙に動いたりして、何が起こるか予想しにくいリアルタイム性の緊張感が共存しています。

 ぷよぷよやテトリスはゲームが進むと難易度が上がったり、対戦の場合は相手からの攻撃があったり、そもそも勝手に落下していくので、基本的には手を止めてじっくり考えることは出来ません。
 そもそもジャンルがアクションパズルなので、アクション性があるので当然といえば当然ですが。

 逆に、手を止めてじっくり考えるパズル、例えばナンクロとか数独とかですかね?
 そういうのだと、ルールが複雑になって難しくなってしまうものが多いように思えます。
 そのあたりを、上手いこと物理演算でゲーム性を補完しつつシンプルなまま保っている感じがします。

 ちなみに、このシンプルだけどじっくり考えられるというゲーム性のせいで、ぷよぷよやテトリスに比べると一回のプレイ時間が意外と長いんですよね。
 10分以上とか余裕でかかる気がします。
 それでも、常に目的と進捗が分かりやすいので、ゲームとしてダレてくる感じがしません。

 それなのに気軽すぎてついもう一回やってしまうので、長時間遊んでしまっても意外とリトライ回数が増えないので飽きにくいのだと思います。
 あまりにも時間泥棒すぎる。

 昔のアーケード全盛期の時は、ずっと遊ばれては困るので意図的に時間制限などで短くする、という方法があったと聞いた事があります。
 ぷよぷよやテトリスがそういう理由なのかは分かりませんが、少なくともその時代のパズルゲームとは違うのかなと思ったりしました。


遊ぶテンポを無意識に自分で決められる

 このゲームは時間制限が無いので、のんびり遊びたい人やじっくり考えたい人に向いています。
 しかし、サクサクとフルーツを落下させることも出来るので、テンポ良く遊びたい人にも向いています。

 この辺りを両立しているのが、物理演算の使い方が上手いなあと思いました。
 じっくりと考えればナンクロや数独みたいに一手一手を着実に攻略出来ますが、だからと言ってテンポ良く遊ぶのが攻略上向いていないという話でもありません。

 基本的に物理演算によるリアルタイムなゲームなので、わずかなタイミングだけチャンスが来るという場面もあるので、そういう状況に反応出来るかどうかはアクションゲーム要素になります。
 そういう時は、じっくり考えたプレイスタイルでは対応が難しいです。
 そうでなくても元々が結構時間のかかるゲームなので、テンポよく遊んで試行回数を増やすことで運の上振れを期待したり、物理演算の癖に早く慣れるという攻略もあるかと思います。

 どちらが攻略上で良いのかは分かりませんが、たぶん上級者になると状況によって遊び方を使い分けるのではないかと思います。

 それはともかく、元々がゲーム初心者から上級者まで楽しめるという幅のあるゲームなのに、さらに遊び方のテンポまで幅があるという、どれだけの人が楽しめるんだという恐ろしいゲームです。

 たぶんですが、じっくり考える派の人は物理演算の罠にハマってキレ散らかすステレオタイプなゲーマーの遊び方で、感覚的にテンポ良く派は幸運を求め続けるギャンブラーな遊び方が多いのかなと思います。
 他のアクション性のある対戦ゲームの上級者とかは、テンポ良く考えながら出来るかも知れません。


自分でフィールドいっぱい埋めるまで終わらない

 これも時間泥棒要因ですね。
 ゲームのプレイ時間で自動的に難易度が上がるというのも無く、対戦じゃないので相手からの攻撃とかもありません。
 とにかく自分でフィールドを埋めない限りはゲームが終わらないんです。

 これは、特に初心者に優しい仕様ですね。
 だいたいのゲームって、初心者がちょっとだけ遊んで上手く出来なくてやめてしまう、っていうパターンがあるかと思います。

 それに対してスイカゲームは、とりあえずフィールドを全部埋めるまではゲームオーバーにならず、それが結構時間かかるんですよね。
 しかも物理演算の運で何が起こるか分からないし、それなのに一手一手を自分の意志で置いていく感覚もあり、初回プレイでしっかりと遊んだ感覚があるんじゃないかと思います。
 そして、何となくゲームが分かってきたら、もう一回やってみたくなるという流れになってしまうと思います。

 とにかく、ミスしたからゲームオーバーというのが途中までほぼほぼ起こらないのが本当に優しいです。
 ごく稀に序盤でゲームオーバーもありますが、それはフルーツが奇跡的にものすごい吹っ飛びをするレアケースなので、それはそれで珍しいものが見れて面白いんじゃないかと。

 しかも、ある程度以上に慣れてきた人でも最後まで諦めきれずに続けてしまうという、これも物理演算によって何が起こるか分からないからこそですね。
 ワンチャン何か起これという、ギャンブル要素になります。
 なので、結構長めのプレイ時間を最後までやめられず、また次を始めてしまいます。

 しかもこれが物理演算による運なので、落下するフルーツがランダムなのはありますが、置いた後のワンチャンにランダム要素が全く無いのがギャンブルっぽさの説得力を増しています。


ただのスコアアタックだけど、スイカと3000点という目標がある

 ただのスコアアタックゲームなので、特に目標とかゴールとかは設定されていないんですよね。

 なのに、まあ皆さんスイカを作りたいですよね?
 スイカを作ったらステージクリアとかでは全くないのに、完全にスイカ作りが目標になっています。

 これ、ゲーム側から指定されてる訳じゃなくて、上手い事スイカを作りたくなるように誘導されてるような気がします。
 そうなると、自分で目標を設定した事になるので、より目標を達成したいという気持ちが大きくなるんじゃないかと思います。

 まあでもスイカはなかなか作れないのですが、どこまで大きなフルーツを作れたかという途中経過も分かるし、スコアアタック要素でもフォローしています。
 24時間で消える当日ランキングもあるので、まあ今日の自己ベストが出たんなら良いかという納得感でその日は収めることも出来ます。

 そして、現代らしいなあと思ったのが、ネット上でスイカの次の目標とされている3000点です。
 これはゲーム内での誘導とかも全く無いのですが、恐らくは自然と丁度良い難易度としてネットで自然発生した物じゃないかと思います。
 違ったらごめんなさい。

 この3000点というのがネットで広まったおかげで、スイカを作るほどプレイした人がさらにプレイを続けてしまいます。
 ネットで自然発生したと思われるものなので当然ですが、難しいけどある程度やれば不可能じゃないという、しかも分かりやすい数字という実に絶妙なバランス調整の下に設定された数字です。

 その後も、かなり難しいですがダブルスイカもありますし、スイカ二つだと消えるので理論上は何回でもダブルスイカが作れるはずなので、ゲームのルール上での限界が見えないというのも壮大な感じがします。


物理演算特有の予測とテクニック

 誰でも楽しめるゲームの理想として、シンプルだけど奥が深いものが良いという考え方がありますが。
 これは奥が深い側の話ですね。

 何も考えなくても運で何とかなる時もありますが、ずっとプレイしていればそれなりに物理演算の挙動の癖などが分かってきて、スコアが伸びやすくなるというのもあると思います。

 それ以上に、その物理演算を上手く利用するという遊び方もあり、これが上手く行けば楽しいです。
 分かりやすい例が、大きなフルーツの上に落とした小さなフルーツが転がり落ちる前に、その小さなフルーツの転がる先に次のフルーツを素早く置いてしまう、とかですね。
 ありがたい事に落下地点まで線が引かれているのでそれを目安にして、大きなフルーツの中心軸から転がしたい方向にわずかにズラせば、転がり落ちる初速が遅くなるので時間稼ぎが出来ます。

 流行り始めたのが最近なのでまだまだ研究の余地がある気がしますが、数年後に新テクニックが発見されるとかも十分あり得る話です。
 ぷよぷよやテトリスでも、何年か経って新しい技術が開発されるとか、そういうのは普通にありますからね。
 物理演算のパズルゲームということで、それらとは一味違う新テクニックが見つかるかも知れません。

 というわけで、他のゲームでも良くある話ではありますが、物理演算系のテクニックなどを習得したいと思ったら、失敗しても良いから積極的に試してみるしか無いですよね。
 じゃないと身に付きませんから、色々試すのを楽しめると良い感じです。

 物理演算なので見た目通りの挙動をするので、他のゲームのゲーム特有なテクニックよりは初心者でも発見しやすいかもしれません。
 もちろん、こういうテクニックが無くても気軽に適当に楽しめるゲームです。

 たぶんですが、フィールド内の2Dゲームというのが、物理演算の暴れっぷりと制御できそうな感じが両立できる絶妙なバランスなのかなと思います。


令和の時代にスイッチの買い切り240円ソロゲー

 追い風となる条件として、これもありますよね。

 240円なら試しに買ってしまう人も多いですし、余ったポイントで240円くらいなら出せるという人も少なくないと思います。
 これは面白さの話とはちょっと違うかもしませんが。

 買い切りのソロゲーというのは、このゲームの面白さを底上げしている条件だと思います。
 普通にスマホで出せば良さそうなゲームなのに、買い切りという事で広告が一切ありません。
 というわけで、このゲームの中毒性をわずかでも薄める要素が無いわけですね。
 まあ広告くらいで収まる中毒性では無いので、スマホも普通にアリだとは思います。

 さらに、こういう感じのパズルゲームがゲーム機で出るなら、対戦が主流なんじゃないかと思います。
 しかし、ソロゲーという事でマッチング時間も何もなく、ここでも中毒性を薄める要素がありません。
 対戦で相手に倒される心配も無いので、初心者にも究極に優しいです。

 と言うか、ただのスコアアタックなソロゲーというストイックな内容で、ゲームが苦手な人も含めて多くの人を中毒にさせるのが異常です。
 普通は対戦か何かの要素が無いと、一部のスコアアタック好きしか続けないと思います。

 ステージクリアとか、クリア報酬とか、そういうご褒美的な目標すら何もありませんし。
 まあフルーツが大きくなっていくのがパワーアップ要素だったり、スイカが作れるのが報酬という見方も出来ますが。


おまけ:もし対戦要素を追加するとしたら…

 このゲームって、気軽さと緊張感が絶妙なバランスだと思うので、基本的には対戦は付けない方が良い気がします。
 まあ、付けても問題ないとは思いますけどね。

 対戦にするならば、他のパズルゲームを参考に考えればルールを決めるのは難しくないと思います。
 相手からおじゃま的な何かが送られてきたり、そんな感じですね。

 とはいえ、おじゃまにしても、単純にスコアを競うにしても、ネット対戦を前提にするなら何かしらの時間制限は必須な気がします。
 そうでなくても、このゲームは1プレイの時間がパズルゲームの中では長い方なので、その時間を拘束されると考えると気軽さがかなり薄れてしまいそうです。
 相手からの攻撃を受けて短時間で終わるようにも出来ますが、そもそも初心者に優しすぎるゲームの良さが薄れてしまいます。

 まあ、ソロゲーとは別の遊び方が出来ます的な意味では十分にアリだと思いますし、これだけ流行ったなら今後の展開として十分にあり得る話だと思います。

 とはいえ、このゲームの良さを崩さずに追加するには、以前に考えた疑似対戦が合うのではないかと思いました。

 こちらの最後近くあたりに少しだけ書いた話になります。
 例えば、直近100人のスコアと競う事によって、リアルタイムに近い形で疑似対戦が出来るという物です。
 このゲームには、これくらいゆるい方が合っている気がします。

 この方法の良いところは、スコア取得以外の通信をしないのでソロゲーとしての良さがそのまま保持されることです。
 当たり前ですがラグやマッチングの待ち時間とかも一切ありませんし、時間を拘束される事もありません。
 まあただのソロゲーなのですが、順位決めの比較対象が毎回変わるので対戦っぽい雰囲気が味わえるという感じです。

 もしかしたら、そういうゲームが既にあるかも知れませんけどね。

 このゲームの目標としてスイカ作りと3000点、その後にダブルスイカなどがありますが、それに加えて疑似対戦での順位という目標も加わる事になります。
 直近100人のスコア次第ですが、ある程度やり続ければ1位はだいたい取れるんじゃないかと思います。

 実際に対戦を追加するとしたらどうなるか分かりませんし、そもそも無理に対戦要素を入れなくても十分かも知れませんが、もし入れるならこんな感じかなと。

※投稿後補足

 今回のケースだと、対戦人数は10人くらいが良いかも知れません。
 と言うのも、人数が少なければ少ないほど1位が取りやすくなるので、10人くらいならワンチャン対戦相手が全員3桁で余裕の1位もあり得るからです。
 100人もいたら、毎回一人くらい普通に3000点以上が混ざりそうな気がしてしまいます。
 3000点を取ったことがある人しか参加できないVIP部屋とかがあっても面白いかも知れませんけどね。
 テトリス99などは、直接相手の攻撃を受けるからこそ人数を増やしてボコボコにされる可能性を減らしているので、ソロゲーの疑似対戦ならそんなに人数は必要ないですね。
 必要な場合は、大人数で対戦というインパクトが欲しい時くらいかと。

 というわけで、ここまでお読み頂いてありがとうございました。

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