見出し画像

デンポー!!のリメイクをした話

どうも角刈書店のふわふわです。

ゲームマーケット2019春でSpiel Embryo(シュピールエンブリオ)さんが2016年に発表した作品のデンポー!!のリメイク作らさせていただけることになりました。この辺の経緯とか理由はいずれまた書けると良いなと思います。(経緯はそんなに面白い話ではないかもですが...)

今日はリメイクする時に気をつけたこと、目指したこと、実装したことについて書きました。ゲムマ前でお忙しい中でしょうがお仕事の間とか合間に読んでみていただけると嬉しいです。

デンポー!!(オリジナル)の話

新版を語るにはオリジナルの話をいないといけないですよね。デンポー!!はゲームマーケット2016春にシュピールエンブリオさんが発売したゲームです。

元々は紙とペグシルを使った「紙ペン」ゲームでした。(ジャンル的には今でも紙ペンゲームかもしれませんが...)

ポーチの中に解答用の紙と書くためのペグシルが入っています。
さらに表紙に使われている紙はPP加工がされている厚めの紙でそのままお題を書くシートとして使えるという無駄のないデザイン....そんな既にめっちゃ良いデザインをどうしたものかと思いました。

リメイクが決定してから三ヶ月ぐらいほぼ毎日デンポー!!をリュックに入れて持ち歩いきオリジナル版の研究をしました。

ポーチは移動に最強、保管に不向き

まず気が付いたのはポーチは持ち運びに最強です。箱に入っているゲームも毎日持ち歩いていたのですが、箱に比べた時のストレスが本当に少なかったです。

ポーチなので厚みが圧縮されて無駄なスペースを食わない。箱のように背中に当たったりしない。持ち運ぶ為の形としてポーチは最高でした。

ただ保管する(積む)時にポーチはもの凄く扱いづらかったです。ポーチの上に何か積み置けるような形になっていないので、必然的に棚の一番上に積まれるのですが、そのポジションにしか置けないゲームは1つとは限らないので、別の場所に移動しその後にも他の箱に入ってないゲームが手に入ってしまったりして置き場所困るという。箱は持ち運ぶの大変なのですが保管にはすごく楽なんだなと改めて思いました。

紙ペンは一長一短

最初紙ペンでずっとやっていて、紙という媒体に文字を書くという事自体の面白さ、紙に書いたプレイ記録が残るという面白さから「リメイクも紙にします〜」と言っていた時期もあるのですが、結局は紙ではなくてホワイトマーカーで書けるボードにしました。

紙とペンは便利だけど平らな床が必要なんですよね。紙とペンもポーチの薄さをキープするのに貢献しているものだったのですが、水分に弱い紙は飲み物の近くで書けないし、平らな床(またはテーブル)がない場所ではとても使い辛いものでした。これは結構辛くてせっかく持ち歩きやすいのに、遊べる場所が結構限られてしまっていました。また、「プレイしていると消しゴムが欲しくなる」や「解答に使った紙は捨てにくいゴミとなり溜まっていく」等の不満点も出ました。使い終わった解答用紙は使い道がないのですが、なんとなく捨てられなくなってしまいますねw

以下はリメイク進めてる最中に翔さんとデンポー!!で遊んだ時の写真ですね。

デンポー!!新版の話

デンポー!!新版で目指した事は

(1)持ち運びやすい
(2)どこでも遊べるようにする
(3)オリジナル版持っている方から「ダウングレード」と言われない

の三本です。来週もまた見てくださいね!
ジャン、ケン、ポンッ!ウフフフフ〜

持ち運びやすい

持ち運びやすさを考えたときに箱を薄くするのかポーチにするか非常に悩んだのですが、ポーチ最強を体感してしまったのでポーチをどうにか使えないかということを考えました。ポーチは持ち運び易いけど保管し難い。箱は保管し易いけど移動の時にストレスになる....

「箱がないなら付ければ良いじゃない。」

そんな言葉がふと頭をよぎりました。確かにポーチのみで売らないといけないというルールはないし、箱にポーチを付けてはいけないというルールもないので、箱にポーチを付けるという選択肢をとりました

ポーチは全てのコンポーネントがピッタリ入るサイズになっており、全てのコンポーネントが入ったポーチは箱にピッタリ入ります。保管の時は箱の中に入れ、移動の時はポーチに入れる。そんな使い方ができるようになっています。

ポーチにコンポーネントを入れることによって圧縮された状態で持ち運ぶことができます。

どこでも遊べるようにする

これは平らな土地を必要としないという条件に置き換えました。山や谷に囲まれた日本では平らな土地がとても貴重ですよね。

真面目な話をすると(今までは真面目じゃなかったのか...?)デンポー!!のルールが会話を盛り上げたり、知らない人とでもやり易いような比較的人を選ばずに遊べるゲームなのでどこでもパッと出せて遊べるというのは非常に重要だと思っています。

これは厚みのあるボードを解答用紙(説明書には「解答ボード」と書きました)に使うことによって実現しました。

2mm厚のボードで5cm x 9cmのちょうど手に持ち易いサイズを目指し作りました。

ペグシルはイレーザー付きのホワイトマーカーになり、お題用紙も厚さ2mmのボードに代わりました。

そう。これは全てどこでもプレイできるようにする為。そして平らな土地を巡って争いを起こさない為ですね。平らな土地ってなんだ?

これは雅ゲームスフカセさんに撮っていただいたプレイ風景の写真なのですが、実際に屋外で遊んでいただいています。楽しそうな風景を撮っていただけて嬉しかったのですが、「ちゃんと外でもストレスなしに遊べてる〜」と思い安堵しました。


完全に平らではないテーブルでもノーストレスです。飲み会の席や、机のない椅子のだけの場所でも問題なくプレイできました。

オリジナル版持っている方から「ダウングレード」と言われない

これはどうやって実現できるのかは難しいですね...受け取る方次第なので。ただ、目指したのは
(1)オリジナルでできたけど新版ではできないということをなるべく無いようにしたい
(2)新版でしかできないということを増やしたい
の二点ですね。ほぼ同じことなのですが、厳密には違いますね。

オリジナルで出来て新版で出来なくなっていることがあるとすれば「紙に書いて残す」という機能ですね。ゲームで遊ぶとプレイログが自動的に残っていくという機能は使い捨ての紙ではなくて再利用可能な解答ボードに代えたことにより失われてしまいました。

その代わりに「紙の残数によるプレイ回数の制限」は無くなりました。ホワイトマーカーが使える限りずっと遊ぶことができるコンポーネントになっています。

新版でしか出来ないということですと「書いて消せる」ですね。当たり前のように思えるのですが、これがゲームプレイ時に非常に重要だと思っています。書いた後に思いついた答えを書き直せないのはストレスに繋がりますし、書いたけれどもちょっと直したいという時に消せないのは辛いですよね。

ホワイトマーカーとイレーザーが別々になっているものではなくて、イレーザー付きホワイトマーカーにしたのはこの「消す時のストレス」を無くしたいと思ったからでした。

ホワイトマーカーとイレーザーが別々になってるだけでストレスを感じてしまう良ゲーは非常に勿体無いなと感じてしまいます。誤解されないように書いておくと、私はテレストレーションが大好きです

今回はサクッと終わるつもりだったのですが、また長々と書いてしまいました。読んでいただきありがとうございます!

デンポー!!出したいという話をした時に「何故?」とか「何を目指すの?」等聞かれたのですが、特に何を目指すということもなくただ「自分が欲しいゲームが手に入らないのは嫌だな」と思い今回シュピールエンブリオのすみすさんにお話させていただきました。

デンポー!!という名作のリメイクをさせていただけたのは非常に光栄なことだなと思っております。この場を借りて作者のすみすさんと協力してくださった方々にお礼を申し上げたいです。

そんなデンポー!!の話をただひたすら書いたnoteでしたがどなたかのお役に立てたら幸いです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?