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第9期京都ライター塾 初回レポ記事
「入りたいけど、入口が分からない」。そんな世界が実はたくさんあって、僕にとってはそれが「ライターの世界」だった。
文字や言葉には人を動かすことのできるチカラがある。そのことをむかしから感じていた僕だけど、自分がその担い手を目指すとは、ほんの数ヶ月前までは考えることができずにいた。
そんな僕が2023年7月8日。なぜ第9期京都ライター塾の初回を受講したのか。それはこの経験が、僕に「ライターの世界」の入口を教えてくれると思ったから。
僕を含めた9人の受講生にその入口を教えてくださるのは「えずさん」こと、ライターの「江角悠子さん」。彼女は京都でライターをする傍ら、ときには大学講師、家に帰れば14歳と9歳になるお子さん達のママとして、僕の目にはとても多忙にも見える毎日を送っている。それも楽しそうに。
そんなえずさんの姿がこの9人の「やってみよう」という気持ちを押してくれたのは間違いないのだと思う。実際、僕以外の受講生は全員が女性であり、まだ小さいお子さんを育てながら受講する方や本業のお仕事を頑張りながら受講する方も多く、大学生の僕からすれば本当に尊敬できる方ばかりが集まった第9期となった。
講座ではZoomを使ってそれぞれの自己紹介が済んだ後、現在のメディア環境についての話に移ったのだが、ここで僕には最初の驚きがあった。
様々なSNSやWEB媒体が存在する昨今。もしかすると僕たちは紙が主流の時代よりも、はるかに多くの「文字」を目にしているのではないだろうか。そして文字を目にするということは、そこに書き手がいるということ。つまり「書ける」が武器になるということだ。
そして僕が驚いたのは、企業のオウンドメディアについて。オウンドメディアとは企業のマーケティングのために作られたメディアのことを指すのだが、こちらは必ずしもその企業の中の人が文字を打っているというわけではないそうだ。
もちろんAIなどが人間と同等以上に「書ける」ようになる時代はすぐそこまで来ているかもしれない。しかし実際このようにまだまだ「書き手」を求めている現状はメディア環境に残っていて、それはやっぱり機械ではなくて僕たち一人ひとりにしか「書く」ことができない情報があるからだと思う。
たとえば「経験」。それも僕らにしか書けないことだ。
講座では事前に「自己分析ノート」というものを頂いていて、それをペアワークで進める時間があった。
就職活動でさんざん聞いた「自己分析」という言葉。僕はもうそれなりに自己分析できていると思っていたが、どうやら今回は毛色が違う。就職活動のときのモノは「働き方」を考えたのに対して、今回のは「生き方」だ。
ペアワークではお互いに「やりたいこと」や「子供の頃について」、「憧れの人」などについて語り合い、理想の生き方のようなものを少しずつ具体的なものにしていったのだが、その理由だとかを詰めていくとおもしろい。なぜならそこに「経験」があるからだ。
僕とペアの方では「ライター塾を受講した理由」も当たり前だけれど違っていて、それぞれの理由にそれぞれの経験が乗っかってくる。
だから「ライター塾を受講した理由」というテーマ一つとっても、お互いがお互いの視点から語ることができて、それぞれまったく別の記事・言葉が出来上がる。そしてきっとこれこそが、「人が書く」こと。すなわち「僕が書く」ことによる意味のようなものに繋がっていくのだと思う。
えずさんは「大切なのは成功することではなくて、幸せになること」だと言った。
じゃあ僕にとっての「幸せ」とは一体なんだろうと考えたときに、そのヒントが「自己分析ノート」にあった。
僕がこれまで残してきた「経験」や「感情」は紛れもなく僕だけのもので、それを文字にすることは「僕がどんなことに幸せを感じるか」ということを知るために役立った。
人さまや社会の価値観ではなくて、自分が「本当にやりたいこと」を実現しようとすることが、僕の幸せのためになる。そしてそれを知るための方法の一つとして、「書く」ことがあるのだ。
「書く」ことは改めて簡単ではないなと思う。
自分をさらけ出すことは勇気のいることだし、この文章だって、まだまだ僕はビビりながら書いている。ライターになりたいと思って受講しているけれど、講座内でライターに必要な素質として挙げられた「伝えたいという情熱」「読者のために書ける人」「人の話が聞ける人」が満たされているかなんてまだわからない。
僕はそれを無理にでも乗り越えろとは言わないし、思わない。だけれど「書くことで、幸せになる」ことができるんだったら、僕は書きたいし、書いたことを誰かに伝えてみたい。そのような気持ちが芽生えた初回だった。
「ライターになる」という目標はもちろん大事。でもその前に、「書くことで、幸せになる」ということが達成できるよう、残り5回を受講していきたい。
浅野 リンタロウ
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