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ダフト・パンクの保留音 2023/08/29

日記

・AirDropが使えない件でAppleのサポートセンターに電話をした。再起動をしても、設定の見直しをしても、OSのアップデートをしても、とにかく考え得る対応は全部取ったのに直らないと伝えたら、対応を考えるから待ってくれと保留音が流れ始めた。

・で、聞こえてきたのがダフト・パンクだった。

・一瞬、耳を疑った。保留音でダフト・パンク流すことある!?

・でも、「エリーゼのために」を聞かされるよりかは、ダフト・パンクを聞かせてくれた方が圧倒的に嬉しい。なんなら、得したとさえ思った。

・結局その電話で問題は何も解決せず、自然に直るのを待ってくださいと言われたけど、ダフト・パンクの衝撃が大きくて本題はどうでも良くなってしまった。不思議とサポートセンターのサービス自体にも好印象を抱く。

・保留音をイケてる音楽にするって考えたこともなかったな。調べると、ダフト・パンクの他にもボブ・マーリーや三浦大知が流れることがあるらしい。Appleは保留音の革命児なのかもしれない。それとも、アメリカの企業は結構自由に保留音をいじっているのだろうか。保留音目当てでAppleに電話したくなってきちゃうな。


・あ!!!!!

・AirDropの不具合直った!!! 直ったというか、直せた!!!!

・このツイートと全く同じことが起きていた。AirDropの送受信設定を「連絡先のみ」にしていたのに、自分で自分のアドレスを受信拒否設定にしていたせいで使えなくなっていた。フィッシング詐欺が発端になっているのも含めて、私と全く一緒だ。何度かAmazonを騙った詐欺メールが……と書いていたアレがここで繋がってくるとは。伏線回収に近い感動がある。

・結局、AirDropの「不具合」ではなく私のミスだったのか……。不具合どころか、AirDropは仕様通りの責務を全うしてくれていたんじゃないか……。ごめん……。

・とりあえずAirDropがまた使えるようになって心スッキリだ。



・『ウェディング・バンケット』という映画を観た。

・マンハッタンで暮らす台湾系アメリカ人のウェイトンは、アメリカ人のサイモンと交際して5年目に入るが、両親に自分がゲイであることを言い出せずにいた。彼は、結婚を急かす両親を安心させるために、仕事先で出会った、グリーンカードを求める女性との偽装結婚を計画する。そして、結婚式のためにやってきた両親と仮初めの夫婦での暮らしが始まるが……というおはなし。

・重くなりそうなテーマをユーモラスかつ誠実に描いていて、すごく良かった。伝統的な価値観を息子に押し付ける両親の姿に最初は苦手意識を感たのだけど、人となりが見えてくるにつれて悪意はないことがわかってくる。でも、悪意がないからこそ息子との間にある断絶は際立つ。安易に「家族だからわかってくれる」とか「わかってくれないからダメ」という話にはせず、「わかりあえないけど家族」という形に収めていたのが印象的だ。実際、この物語に悪人はいなくて、ただ「そう生きてきた(生きるしかなかった)」という強い人生の裏付けを全員が持っている。

・披露宴のどんちゃん騒ぎは観ていて面白かった。どのくらいリアルな文化の描き方なのかはわからないけど、現実があの騒ぎ方の3割だったとしても相当だ。

・あと、そこをラストシーンにするかね!?という終わり方が斬新だった。なぜあの場面で終わらせたのか気になる。



・『僕らのミライへ逆回転』という映画も観た。

・廃業寸前のレンタルビデオ屋で働くマイク。彼が店番を任されていたある日、友人のジュリーが店のVHSを全てダメにしてしまう。店の評判を保つため、2人は自分たちの手で『ゴーストバスターズ』や『ラッシュ・アワー2』などの名作映画を撮り直していくが……というおはなし。

・面白かった!! 面白かったし、ラストは感極まって泣いてしまった。ホームビデオのクオリティではあるものの、創意工夫を凝らして名作映画を再現していくのには素直に感心したし、その過程で生まれる作る喜びや煌めきにも胸を打たれた。前半はアホすぎるコメディ映画として楽しんでいたのに、だんだんと本気で「映画を作る映画」になっていくのがすごい。彼らの作る手作り映画は次も次もと新作が見たくなるし、知らない作品は元がどんななのか気になってくる。

・VHSがダメになる原因を作るジュリーがとにかく強烈なキャラクターだった。陰謀論者でがめつく下品。発電所を爆破しに行って感電して体が磁気を帯びてしまうというすごい設定。「どうしようもないんだけど憎めない」とかでもなく、どうしようもないし憎める。でも、好き。『ビッグ・リボウスキ』のウォルターを思い出す滅茶苦茶さだった。



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