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スベる夢 2021/05/12

日記

・昼寝をしたらここ何年かで最悪レベルの悪夢を見た。

・高校の修学旅行で学年全員の注目を浴びる中、1人で即興演劇をしているが、なにをしても誰も笑わず、表情筋をピクリとも動かさない。とにかく、徹頭徹尾スベリ続ける夢。客席の様子を見て、焦れば焦るほどに全身をじっとりとした汗が覆っていき、体が小刻みに震える。早く終わらせてこの場から逃げたいのに、オチが思いつかない。追い込まれた私は、近くにあった花瓶をひっくり返して頭から水を被り、無理やり終わったことにして舞台袖に戻った。もちろん、それで誰かが笑うはずもなく、観客は冷ややかな目線を浴びせ続けている。

・ハッと起きたら、本当に全身汗だくだった。これほどまで「夢でよかった〜」と思ったことはない。夢の中の私はまだ大勢の前でスベリ続けているんだろう。かわいそっ。

・こういう夢って芸人とか俳優とか、舞台に立つ仕事をしていると一度は見ると聞いたことがあるけど、なんで舞台に立った経験がお遊戯会くらいしかない私が見なきゃいけないんだろう。代わりに若手俳優とかが見て、恐れおののけば良い経験になったのに。


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・悪夢から覚めて、セブンイレブンの冷凍お好み焼きを食べた。セブンの冷凍の粉ものはどれもおいしい。と言っても、たこ焼きとお好み焼きしか食べたことないけど。

・そういえば、まずいお好み焼きって食べたことないかも。どう頑張っても最後にかけられるソースと鰹節とマヨネーズでおいしくなってしまう気がする。中が半生とかなら、まぁまずいだろうけど、それは評価の俎上にすら乗せられない代物だし。

・でも「お好み焼き まずい」で検索したら、何件か否定的な感想を書いた食べログのレビューが出てきた。まずいお好み焼き、一回食べてみたいなぁ。なにがダメならまずくなるんだろう。

・最近、お好み焼きに限らず、まずい料理を食べたいという気持ちが強くなっている。外食をする機会が少なくなったので、もうしばらく、うわ!まっずい!と思うものを食べていない。そもそも、外食をするときも冒険をせず、すぐにチェーン店に入ってしまう性格だし。

・一昔前なら「まずい料理が食べたい」とか言ったら、美食家ジジィのイヤミかよと罵られたかと思うが、いまはもう誰でもそれなりにおいしいものだけを選んで食事することができる。お金がなくても、マクドナルドやサイゼリヤへ行けば安価でおいしいものが食べられる。むしろ、安くてどこでも手に入る大量生産品こそ品質が安定していて、ハズレを引くことは滅多にない。個人で経営しているお店みたいな、安くもないしそこまで高いわけでもない、そこそこのランクのお店こそギャンブル性があって、そうなるとまずい料理はお金のない人には味わえないものになってくる。

・おいしい料理が溢れかえり、まずい料理の希少性に注目が集まるようになれば、その希少性にしか目がない裕福な人が「うわー、これはなんてまずい一品なんだ!素晴らしい」とか言って、「まずさ」を褒めそやすようになり、いずれ市民にもその価値観は伝播し、まずいものほど高い時代が来るだろう。そして、どこかで「高いものほど良いもの」と、因果が逆転し、今の価値観で言う「まずいもの」が良しとされるようになる。まずいがうまいに、うまいがまずいになる日が来てもおかしくない。人間の美醜が時代や社会によって揺らぐように、味覚も社会によって変化するのかもしれない。

・……とか書いてるけど、実際、まずいものなんて、適当に黒焦げにしたりすればいくらでも作れてしまって、まずさにも天井があるから希少にはならないだろうな。「食べれなくはないけど、なんかまずい」くらいがベストかも。


・今日の気付き。

・キャラメルポップコーンを食べた直後の、まだ口にキャラメルポップコーン味が残っている状態でベランダに出て、外の風を浴びると映画館の帰り道の気分が味わえる。


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