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育休明けのママさんへ。心を軽くするヒント

こんにちは。普段は起業家やスタートアップの支援を行っている、加古静香と申します。今日は、スタートアップとは関係ない、ワーママのお話をしようと思います。

ちょうど私の妹が、2人目の育休から4月に職場復帰しました。復帰初日に下の子がノロウィルスに感染、まもなく上の子にも感染し、さらには親も2人とも感染し…と前途多難な復帰初週だったようです。

4月に復職する方は、たいてい4月中に数日出社し、GW明けに本格的に稼働開始するものですが、妹の窮状を目にする中で、ちょうど同じ時期に悪戦苦闘する、仕事が好きなワーママさんたちに、何か支えになることがあればといいなと思って、パソコンを開きました。

9年前、復職時の絶望

私が1人目の育休から復帰したのは、もう9年前の2013年。今振り返っても、当時の感情が生々しく蘇ってくるぐらい、大変な時期でした。
ブランクがもたらす自分の能力の低下(と感じられたこと)、いなかった間に産休前に築いていたポジションが失われてしまったこと、対する若手男子の出世、それから、圧倒的に時間が足りなくなったこと、時間で勝負できなくなったこと、役に立てているのだろうかという不安、子供はすぐ熱を出して途中で帰宅しなければならず仕事が間に合わないリスクに怯えること、そして家には洗濯物や食器洗いがどんどん山積みになっていくこと。

たった8ヶ月しか休んでいないのに、何か圧倒的に周り全部が壁のように感じられて、絶望しかない中で、必死にもがいていました。

当時33歳。それほど出産が早い方ではないですが、私自身は20代に結構遠回りしたので、キャリアはまだまだ発展途上、ポジションも実力も足りませんでした。

復職直後が大変なワケ

特に初めての育休直後は、大きく環境が変化し、とてもストレスの大きい時期です。実際その理由って何なのか考えてみます。

1. 仕事に使える時間が圧倒的に減る

子供がいない時の働き方は比較的身軽です。自分のために多く時間を使えて、終電まで仕事をしても、自分以外の誰かに迷惑をかけることが少ない。そのため、私自身はかなり長時間労働で乗り切るタイプでした。
ところが、復職すると保育園のお迎え時間は通常18:30、通勤時間も含めると17:30には職場を出なければならない。以前は9:30-23:30まで最長1日14時間仕事ができたものが、復職後はどうがんばっても9:30-17:30まで1日8時間しか使えません(昼休みなしでも)。比較すると、6割弱。もちろん毎日終電まで仕事をしてたわけではないですが、それでも、その分の心理的な余裕がまったく違います。6割の時間で成果をあげなければならないのですから。
しかもこれは通常運転のときであり、さらに子供は頻繁に熱を出しますから、保育園から「お熱出ました」と電話があれば、ダッシュで保育園へ。仕事は途中で放り出されてしまう。
足りない分は子どもが寝た後に深夜に仕事をするも、ママがいないと子どもはすぐ目を覚まし中断するし、さらにはママ自身が体調を崩してしまう、そんなパターンもよくあります。

2.ブランクで一時的に能力が落ちたように感じる

もう1つは、育休のブランクです。
育休中は、まだ言葉を話せない赤ん坊と1日中一緒にいるため、ビジネス的な会話はもちろん、大人同士の会話も非常に限られます。
私も初めての復職直後は、「あれ、なんかうまく言葉が出てこない…」となり、かなり焦りました。普通の会話ですらそのレベルですから、複雑な仕事を推進する、大人同士の交渉、目的に従って施策を推進する、といったことに慣れておらず、一時的に大きく仕事の能力が落ちたように感じられ、同時に自信も失いかけました。

3.他の人(独身男性など)との比較

さらに、ワーママを意外と苦しめるのが、この「比較」です。
みんなはまだ仕事をしているのに、早々と退散しなければならない。
大事なミーティングに出られない。
そして、結果的に成長著しい若手の新卒が評価され、マネジメントにも気に入られている。
時間を十分に取れない私は、いらないの?もう役に立てないのだろうか?大事な仕事は任せられないのだろうか?
そんな気持ちばかりが膨らんで、ますます自信を失い、自分の職場での存在価値を信じられなくなってしまう、そんなことがよくありました。

逆境は多いけど、捉え方を変えてみるとよいかも

このように、いくつかの理由で逆境を感じる復職時のママさんですが、その後の長い子持ちのキャリアを考える上で、こんなふうに捉えるとよいのではないかな、と思うことをご紹介します。

1日8時間しかない、を前提にする

出産前と後で、私が圧倒的に変えたこと、変わらざるをえなかったこと、それは、そもそも時間が少ないことを前提にすることでした。もちろん延長保育をすれば少しは働く時間を増やせます。夜中に仕事をすれば少しは巻き返せます。時にはそれが必要なときはあるでしょう。
それでも、結局のところ、自分の人生には圧倒的に大事で唯一無二の愛する子どもがやってきたのです。愛に人生の時間のシェアを明け渡しましょう。それでいいじゃないですか。時間が足りないと悔やまないで。

短時間で価値が大きくなる仕事を探す

その上で、大切なのは、時間を頼りにしないことです。時間の量をかけることで出していた価値からは卒業。これからは、(一気には無理ですが)徐々に時間あたりの価値を最大化することを意識しましょう。
時給の高い仕事をする。価値の高い仕事をする。より大きく喜ばれる仕事をする。
そのためには、自分にしかできない仕事を見つけられると、圧倒的に働きやすくなります。
私の場合は、意思決定者の意向をより早くキャッチアップしつつ、顧客の声を感度高く把握し、その間を埋めるために必要な戦略と具体的な施策案を提案することでした。
あなたならではの得意技はなんでしょうか?

長い目でキャリアを考え、諦めない

独身の男女や、奥様が家事子育てを全て担っている家庭の男性など、仕事に100%の時間をかけられる人、そしてその点でも評価されている人を横目に見ていると、彼らは出世もスピーディでマネジメントにも気に入られている。対する子持ちの私の存在価値って…と焦ったり、絶望したり、とキャリアを諦めそうになるかもしれません。

でも、キャリアの人生って意外と長いのです。60歳まで働くとしても、今30歳なら後30年。今40歳でもあと20年。まだまだあるよ。
10年もすれば子供はずいぶん大きくなり、手が離れてきます。数年成長のスピードが遅くなったり、一時的にポジションが下がったりしたとしても、うさぎと亀と同じで、コツコツと前進し続けることで、必ず結果はついてきます。

友人のママさんは、夫が家事育児にほぼ時間が取れないため、出産を機に大きくキャリアダウンし、非正規社員だったり、小さいスタートアップのお手伝いみたいな役割を担ったり、でしたが、細く長く仕事を続け、お子さんも小学生になり、最近、リモートワークの環境も手伝って、メガベンチャーのマネージャーになりました。能力が高く、意欲も高く、キャリアを諦めずに続けられたことで、その能力にふさわしいポジションに就かれたことに、私はとても勇気をもらいました。

一時的に、キャリアダウンする時期もあるかもしれない。でも、その人が懸命に取り組んできたこと、それは確実に実力として培われていきます。だから、表面的なポジションや周囲から評価がどうであれ、決して諦めないで。
大切なことは社会的評価や職場の評価だけではなくて、自分が何を提供し続けるかです。

可愛い可愛い子どもがいる。
そのことがもたらす大きな幸せに感謝をしつつ、自分を信じて、自分の道をゆっくりでも一歩一歩前へ進んでください。
応援しています。

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