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吾子はまだ場面緘黙月凍る

今日はやたら真面目です!
っていつもはどれだけふざけてるんでしょう!(笑)

「場面緘黙症」というものを
私は知らずに子育てをしてきたのですが
今思えばうちの長男はがっつりと
この症状の子どもでした。
家の中では普通にしゃべれるのですが
一歩外に出れば身体も気持ちも
キュッと固まってしまったようになって
全く話をすることができません。
それが小3から高校に入るまで続きました。
緊張しやすいタイプ、シャイなタイプなどと
人にも言われ私もそう思ってきて
担任の先生にも「できるだけ人前で
話をする機会を与えてやってください。」と
お願いしたりもしましたが
一向に症状は改善せず
参観日などでも一度たりとも
息子の声を聞くことはありませんでした。
今思うに元々おっとりでマイペースな息子は
小3の時先生や友だちに
「ほらまた~!○○くんは遅いな~!
早くしなさいや~!」と
言われているのを見て
ああ、息子はみんなにどんくさい子、
できない子と思われているんや!と感じました。
そして息子の自己肯定感が低くなっていくのを
感じると同時に
外ではいっさいじゃべらない子になっていったのです。

けれど中には息子のことを気に入ってくれる
友だちもいて
全くしゃべらない息子を毎日のように
野球に誘ってくれたり遊びに誘ってくれたりしたおかげで
学校へは嫌がらず通って無事に
小中学生時代を過ごせました。
友だちが息子にいろいろ質問してくれて
息子が縦に振るか横に振るかで
コミュニケーションをとる、そんな感じでしたが
本当に長年息子に寄り添ってくれた
友だちには感謝しています。

高校へ入学してからは
昔の息子を知っている友達も少なく
そんなに難しい高校へ入学しなかったこともあり
成績がグッと良くなった(ような錯覚)おかげで
少しずつ自信がついてきたんですね。
クラブ活動も楽しんで
だんだんと場面緘黙の症状は和らいできました。

そして大学ではサークルの仲間と
体育会系のノリだったので
しゃべらない、とかいう雰囲気でもなく
強制的に声も出さされて厳しくしごいて
もらったおかげで
強く逞しくなってきて
自分に自信が持てるようになってきたように
感じました。
おかげでようやくすっかり症状もなくなり
社会人となってからは
大勢の人前で講習などをすることもあるとか
館内放送で皆に話すとかいうのを聞いて
マジか!ホンマか!!!と
嬉しびっくり!です。

長い長いトンネルを抜け出た長男ですが
結局親としては何一つしてやれず
いい人たちに出会えて
周りの友だちに治してもらった、
これに尽きると思います。
そして一番大きかったのは
自分に自信をもつこと
根本的な自己肯定感を養うこと
そんな気がしました。
知らず知らず私の場合は息子の
自信を打ち砕くような言葉を
発していたんじゃないか
叱りすぎたんじゃないか、とか
今更ですが振り返って反省しています。
が、叱らず子育てなんてできないし
家でしっかり愛情を注いでいても
外で人に言われた言葉は
深く傷つくものですよね。
決して親のせいではないと思うんです。

なんだか昔の事を思い出しながら
えらく真面目に書いてしまいましたが
そんな長男も今や一児の父親で
よくしゃべるおっさんになりましたw

同じような症状でお悩みの方に
ほんのちょっとのちょっとでも
症例の一つとして届けばと。

おうちde俳句 (並選)


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