花束みたいなフォントへの一向に醒めやらぬ恋愛感情
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花束みたいなフォントへの一向に醒めやらぬ恋愛感情

星友

シン・Kirinjiの新曲「再会」を聴いた。お兄ちゃんのコロナ禍におけるラヴソングであり決意表明のようで、キリンジ改め、KIRINJIに派生した時の「進水式」のやわらかなソレとは違い、ほろ甘く心苦しくさせられちゃった。「Almond Eyes」位に誰も寝てはならぬ!的変態な素敵さで酔いしれさせておくれよ。誤解なきよう、常に言葉を大切に煌めく薄紙でラッピングして届けてくれる律儀な兄が描く音楽はいつも格好良い。ありがたい。毎日聴いてしまう。

そして、やっぱり広報活動のやり方とかも楽しみの1つ。今回のMVはリリックビデオと呼ぶそうな。音に舞う詩的な歌詞がPCとマグカップが置かれたテーブルの部屋を背景に、何処かへ繋がりたい生命体みたいに動いて紡がれている。無機質なパッケージの中からこんにちは!なコミュニケーションの術が推奨される現況と楽曲にマッチしていて、魅力的なフォントの質感で魔法にかけられる良い映像に耳も眼も嬉しい。
https://youtu.be/-OdsFe8yOs8

みんなのおやつ「ブラックサンダー」は、このフォントにしてから売り上げ倍増したらしい。

話は少し変わって、私はそのデザインのために熟考の後、選ばれ、誂え、大切に届けられたフォントを眺めることが滅茶苦茶に好きだ。例えば、服を愛して止まない人が素材や色味やディティールの素晴らしさに永遠ときめく様に、視覚的に感情を動かされるようなフォントを含むデザインは、ホモ・サピエンスの境地が詰まっている気さえして、焚き火の如く眺め続けていられるし、何故だか切なくなってキュンとする。

記憶を遡ると、学生の頃初めて受けたデザインの講義で、Illustratorは元々フォント作成の為のアプリとして開発されたと教わったときから。実際に見様見真似でオリジナルフォントを描いたりしてみる中で、これまで自分の想像以上に目の前のモノを素通りして視てきたことを思い知ると同時に、奥ゆかしい世界を知った興奮で鼻血が出そうだった。もし、長生きしたら星友印のフォントひとセット老後に完成させたりしたいな。

そして、映画に取り憑かれてしまっていた当時の私は、映画のチラシの上で心躍らせてくるタイトルロゴの世界に本編と同じ位の熱情で、どハマリしていた。もうあの頃の思い出は薄れていくのに、あいも変わらず、今も新作チェックに有り余る時間を使っている。映画には当たり前のように時代の空気が反映されるから、デザインも流行り廃りをうかがえて面白く、何時だって古き良きは新しき哉のお手本で学び舎だった。

上の写真は、「赤松陽構造(ひこぞう)と映画タイトルデザインの世界」展にて、京橋の国立近代美術館フィルムセンターでの浮かれた時間。映画タイトルロゴ界のレジェンドである赤松氏の全仕事が紹介され、無声映画時代から華やかな字体で作品を彩ってきた日本のタイトルデザインの歴史も絡められた展示内容は、何よりも楽し過ぎてずっとヘラヘラしていた気がする。

最近、写真バックに手書き文字及び手書き文字風のタイトルロゴの映画がモノすごく目立つ。きちんとしたフォントで押さえるのではなく、主人公が走り書きした様な手書き文字から何かを伝えてこようとしてくるこの感じ、もっと視野を広げてみるとデザイン業界全体のトレンドなのかしら。こういうのって、きっと有識者の方々が謎を紐解いているはず!インターネッツもとい、noteの中に既に存在してそうね。

さてと、オチも何も出てこないので、以下、これからの季節にぴっとりの映画チラシをお見知り置き頂ければ幸いである。

〈左上〉「海辺のポーリーヌ」
〈左下〉「満月の夜」
〈右上〉「緑の光線」
〈右下〉「友だちの恋人」
全てエリック・ロメール監督作品
総じて驚きの愉快さ、ロマンス、きらきら星作品
☆☆☆☆

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星友
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