音声とspellingには関係がある

自分が教えている中学2年生では授業の最初は単語テストから始めることが多いです。詳しくは下からどうぞ。

生徒が単語を練習している中で、なかなかいい質問が出てくるのでこんな感じで答えているぞという覚書です。ちなみに大学院の修士論文は音声学的なことをやりました。

1.なぜswim, get, hitにingをつけるとswimming, getting, hittingと最後の子音字を重ねるのか。

先日動名詞の学習をしていて、gettingをgetingと書いて間違った生徒が、「先生なぜgettingと書くのですか?」と質問が来ました。普段から「問い」を大事にして先生に質問して、その問いを解決するようにしなさいと指導しているので、うれしい限りです。

getなどの単語にingをつけると最後の子音字を重ねる理由をこのように説明しました。

私: timeとか、makeってなんて発音する?

生徒:タイム、メイクです。

私:そうすると、timeのi、makeのaだけだと、どう発音する?

生徒:うーんと、アイ、エイですか?

私:そうだね。母音+子音+母音のspellingだと、英語母国語話者はアルファベット読みしたくなるらしいだよ。

生徒:なるほど。

私:ちなみに、tim、makってなると、どう読みたくなる?

生徒:ティム、マックですか?

私:そう。この時はiはイ、aはアとエの中間音で発音して、フォニックス読みしたくなるんだよね。

生徒:なるほど。

私:そうすると、geting, swiming, hitingってどう読みたくなるだろう?

生徒:ジーティング、スワイミング、ハイティングかな。

私:そうだね。そうすると、元の動詞の読み方とかなり変わっちゃうから、それを防ぐためにgetting, swimming, hittingとするらしいんだな。そうするとゲッティング、スウィミング、ヒッティングと読みたくなるらしい。

生徒:なるほど~。

2.makeやuseなど最後にeをつける単語にingをつけるとeがとれて、makingやusingになるけど、beにingをつけるときeが取れずにbeingになるのはなぜか。

私:makeingやuseingになると、どう読みたくなるだろう。

生徒:うーん、なんだろう。

私:eiっていうspellingはエイ、イー、アイと読みたくなるらしいんだな。
  eightはエイト、eitherはイーザー、またはアイザーとなるよね。

生徒:なるほど。

私:それを防ぐために、makingとすれば、メイキングと読みたくなるんじゃないかな。

生徒:じゃあbeingはなぜ、eを取らないんですか。

私:beの最後のeをとったら、bingになり、ビングって発音になるから、元のbeがなくなっちゃう感じになるんじゃない?

生徒:なるほど。ビーイングって読ませたいからbeingのままか。

私:たぶん、そうだろうな。

3.playはplaysだけど、studyはなぜstudiesなのか

私:studysやstudyedだとどう読みたくなるだろうね。

生徒:うーんと・・・

私:yは2通りの読み方があるんだけど、yearだと?

生徒:イですか?

私:dynamicだと?

生徒:アイですか?

私:そうだね。文頭だとイ、文中だとアイと読みたくなるらしいんだよね。

生徒:えーでもplayはイじゃなですか?

私:それはayでエイと読むということでaとyでワンセットなのだ。

生徒:なるほど。

私:じゃあ元に戻るけど、studysはどう読みたくなる?

生徒:スタダイズかな。

私:そうだね。それを防ぐために、yの代わりに必ずイーと発音するieをつけたんじゃないかな。


実際はこんな物分かりのいい生徒ばかりではないので、こんな簡単なやり取りでは理解しませんが、おおよそこんな感じの説明で、ストンと腑に落ちてくれるようです。

大事なのは、生徒が質問した時に教えてあげることだと思います。生徒は知的好奇心を満たしたいために「ちゃんと」聞きます。綴りと発音の関係なんて、知りたくもないときに教えてもらっても、まったく知識として身に入りません。


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