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(連載小説)「殺意のトーク~岡部警部補シリーズ~」第1話(全3話)

とある日の事だった。人気司会者の北村玄太はスタジオで、とある番組の収録をしていた。
彼は、ベテラン司会者で国民的信頼度は高いし、もはや国民的司会者と言ってもいいぐらいの人気度だった。
1989年にコント番組「お笑い辞書」でデビュー以来、最強のトーク力と演技力で様々な番組に引っ張りだこになり、いつしか冠番組まで持たせてもらうことにもなった。それはとてもじゃないほど誇らしいことであり、いつしか大物になりたいという夢に近づけられている自分に満足でいた。
性格はとても温厚で、怒ることが嫌いな人物。だから常に笑顔を絶やさず、かといって他の芸人には優しく声を掛けている。その影響もあってか、慕う芸人の数は計り知れない。
今やっているお笑いトーク番組「北村のしゃべりの壁」はもう20年続く長寿番組であり、この番組からブレイクした芸人も大勢いる。
今日の収録では、ベテランコンビ芸人のロンドン&パリを筆頭に芸人トークを行っていた。
まず自分から口を開き

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