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(ホラー短編小説)「奇妙な旅館」

とある日の事だった。大学生の男女4人は久しぶりに旅行することになり、とある山奥の有名な旅館に泊まることにした。
今回の主人公はこの中の一人である女性・内間玲子。大学では優等生で人見知りもなく、大学のマドンナとも言われている、とても良い性格の人物だ。
今日は彼女以外に同期である男性の井上と久垣、女性で幼なじみの美月と4人の旅行で、少し玲子はワクワクしていた。
今日は多数の名所を回り、疲れ切っている中、夜・久垣が運転する車でその旅館に向かっていた。
玲子は車の中で小説を読んでおり、それを隣で見ている美月が

「本当に玲子って、本好きよね。私にその本を読む力貸して」

自分は本を閉じて、美月を見て笑顔で

「今度貸してあげるけど、この本難しくないわよ」

そう言って本を渡す。でも本当は少し腹が立っていた。自分だって本を読みたくて読んでいるわけじゃない。担当の教授が何故だが自分に本を渡してくるのだ。あれは物凄く迷惑で、自分の好きな時間を有意義に使えないのが腹立たしくてしょうがなかったのだ。
渡された美月は笑顔で

「ありがとう。読むねぇ~」

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