(夏の連載サスペンス劇場)「魔性の女」最終回(全4話)
自分と長田はすぐに車で函館市立青函高校に向かった。
これで全てを終わらせる。星野絵里子という魔性の女は悲劇のヒロインだった。バカな未成年のせいで両親を失い、そして自分は復讐として殺人という罪を犯した。
でも一つだけ気になることがある。星野絵里子はあいつと一緒にいてどうするつもりだ。あいつと共犯者であり、情報も手にいられた。でも突然2人して姿を消した。一体どういうことだと思いながら考えていると、運転している長田が
「あの先輩」
「なんだ」
「なんで星野絵里子は、わざわざ三上に山田を殺させたのでしょう」
自分は少し微笑みながら
「それは単純なことだ。自分の手を汚さないのもそうだけど、もう一つは復讐者の心理だ」
「心理?」
「あぁ、山田匡と三上頼久にどんだけ自分のしたことが重大なことか、分からせるためだ」
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