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繊維業界について思うこと

そもそもなんで繊維業界に飛び込んだ?

なぜ私が就職活動を経て繊維業界に入ったか。
ぶっちゃけ当時大学生の私はファッションが好きではありませんでした(笑)
大学生なりに身だしなみには気をつけようと思っていたぐらいです。
ではなぜ繊維業界に進んだか。
前回投稿したように祖父が貿易会社を経営していたこともあり、商社に強いあこがれがありました。

「世界を股にかけて仕事をしたい。」

その想いで商社一本に絞って就職活動をしていました。
商社の中でも大きな規模でビジネスが出来る総合商社が第一希望でした。
そして第二希望が繊維専門商社でした。
なぜかというと、扱う商材にトレンドがあるからです。
専門商社は鉄鋼や食品、エネルギーなどたくさんの種類の商材があります。
その中でも繊維(アパレル)は季節やトレンドで毎年変化のある商材です。
なので飽きがこないだろうなという考えがあり、第二希望を繊維商社に決めました。
最終的には総合商社に内定が決まらず、ご縁のあった繊維商社に入社することになりました。

私が思う繊維業界の問題点は?

入社してから5年半勤めましたが、仕事をしながら
「これおかしくないか?」
と疑問を持つことは多かったです。
転職して別の業界の方とお話ししていると、やっぱり色々変だったんだなという商習慣がたくさんありました。
(もちろんどの業界にはあると思いますが。)

一度繊維業界から離れ俯瞰的に見て、ここが問題点だなと思うことはたくさんあります。
その中でも一つ大きく問題を挙げるとすると、

商品から作り手の「想い」が伝わってこない。
そもそも「想い」が入ってない。
ということです。

得意先との商談で1番言われていたことは、
商品に対しての「想い」ではなく「単価」です。
「どれだけいいものでも高かったら売れない」
「この値段じゃ買ってくれない」
「他社はもっと安い」

「安く」て「売れるもの」=「良いもの」
それを突き詰めた結果、
「こんな服や商品を世に出してお客様に喜んでもらいたい」
という「想い」が欠如している。
そこが繊維業界の問題点の原点かと思います。

トレンドに自社のテイストを少し入れて、あとは相見積もりで値段を同業他社で削り合わせる。
売れ行きを見極めたいから、ぎりぎりまで引きつけて発注する。
QR(クイックレスポンス)対応するが、納期が短いのでトラブルがあれば納期が後ろ倒しになりさらに値引き対応。
大きく遅れるようなら売れ時期を逃したとして売上補償金を支払う。

すべてのアパレルがこうだとは思いませんが、こういったことが自身の体験としてあることも事実です。
先日INGNIの下請法違反がニュースになっていましたが、正直なところこれは氷山の一角にすぎません。


もちろん小売として商品が売れることは重要事項です。
ただそれを重視しすぎて、
「なぜこの商品を作るのか。」
「この商品を作ってお客様にどういう気持ちになってほしいのか。」
という部分が仕事をしている中でまったく見えてきませんでした。

そうなると似たものが世の中に出回り、価格勝負になる。
価格勝負になればリソースが大きい方がパワープレイで押し切ることができる。
実際に今調子がいいアパレルの名前を出すと
ユニクロ・ワークマン・しまむら
あたりだと思います。

そこに対抗するために単価を下げる。
メーカー側も低単価なものしか提案が通らないから、低単価で出来るものを提案する。
その繰り返しで、自分達でどんどんデフレスパイラルを作っていってしまっ
ている印象が私の中にあります。

果たしてそのモノづくりに「想い」はどれだけ存在するのでしょうか。

本当はもっとよくなるはず!
繊維業界を出て感じたこと

逆を言えば「想い」を持って商品を作り、
「想い」を伝える仕組みがしっかりしていれば、低単価でなくても勝負できると私は思います。

「そんなん言うんは簡単やけど、実際無理やで〜。」

業界内ではそう言う人は多いでしょう。
私からすると単価を下げて売れるようにすることは、手段ではなくただの逃げだと思います。
ではどうしたらいいか。

値段勝負を脱出する方法は、「マーケティング」がキーになると思います。
私は今の会社に入ってからマーケティングの先生にコーチングを受けています。
マーケティングの基礎の基礎から教えていただいていますが、それでも繊維業界内では全然できてないという実感があります。
そうは言っても私自身、繊維業界自体嫌いになったわけではありませんし、むしろトラブルが日常茶飯事の中学んだことも多く、ファッションという世界が楽しかったというのが本音です。
だからこそまだまだやれることがあると思うので、しっかり勉強し、経験を重ねて業界に恩返しができればと思っています。

よりよい業界にするために地道にコツコツ頑張っていきます!

ここまで読んでいただきありがとうございました!






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