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【演劇】兎、波を走る

 2023年6月17日(土)、野田地図(NODA・MAP)第26回公演『兎、波を走る』を観て来ました。ネタバレがある部分は、項目欄に「ネタバレあり」と書きつつ、メモを残してみたいと思います。

■今回の公演と観劇について
 東京公演は、6月17日(土)が初日でした。私も何度かチケットの抽選に応募していたのですが落選ばかりで、後半は諦めていました。
 今回の当日券は、整理券を用いた抽選制ではなく、当日並んだ先着順で、一体どれぐらい並ぶのだろうと、当日劇場前まで行ってみました。その日の夜の部は、開場が18時で、開演が19時。18時時点で、100人以上は並んでいたと思います。「立見席だったらご用意出来るかも」という話でしたので、私も、18時から最後尾ぐらいに並んでみました。
 順々に前に進んで、開演10分くらい前に、私は当日の立見券を入手することが出来ました。2階席の一番後ろで、壁にもたれかかって鑑賞する立見です。上演時間は、休憩なしの2時間10分。少し疲れましたが、舞台全体を観ることが出来、チケット価格も安いので、ある意味得したかもしれません。

 東京公演は2023年6月17日(土)~(以下、同年)7月30日(日)、大阪公演は8月3日(木)~8月13日(日)、博多公演は8月17日(木)~8月27日(日)と続いていく予定のようです。

■イントロダクション(HPより、ネタバレなし)
 野田地図のHPを見ると、以下のようなことが記載されていました。
・なんともいたたまれない不条理
・「不思議の国のアリス」で始まる
・“潰れかかった遊園地”を舞台に繰り広げられる “劇中劇(ショー)”のようなもの
・或る“世界的な稀代の劇作家”まがいの人間までもが2人絡んでくるらしい。

■メモと感想(少しネタバレあり)
 物語は「不思議の国(=不条理な世界)」に迷い込むアリスの話から始まります。母(松たか子さん)と娘(多部未華子さん)の関わりを軸に、兎(高橋一生さん)がストーリーを牽引していく形でした。

 「フィクション」と「ノンフィクション」、「妄想」と「現実」、「仮想(空間)」と「現実」の世界が交錯します。
 二人の劇作家まがい(チェーホフとブレヒト)が世界を作りだす部分もあり、第三の作家として、メタバースなど仮想空間の話も絡んできます。なぜ、チェーホフとブレヒトが選ばれたのかなどを含めて、演劇の流れをもう少しおさえる必要があるなと思いました。

 作られた話では、アリスの他に、ピーターパン(親と子の関係を中心に)、ピノキオなどの話、そして、仮想のアバターなどの話が出て来ます。
 他方で、現実の話では、歴史上の闘争や戦争の話が取り上げられていました(ここは詳しくは伏せます)。

「不条理」とは、物事の筋道が立たないこと

小学館「現代国語例解辞典」より

 私自身、「不条理」(あるいは「不条理文学」)を正確に理解していない部分があるのですが、創作された世界と現実世界、どっちがより不条理性が強いのか、少し考えさせられました。

■最後に
 野田秀樹さんの作品を初めて見たのは、大学生になって東京に出て来たときでした(25年前です)。野田さんの作品では、複数の世界を飛び交うことが多いですが、今回は一段と難しかったように思いました。
 役者の人について、少しだけ記載すると、高橋一生さんは柔軟な感じがして、ストーリーや役柄にマッチしているように思いました。
 (話を戻して)野田さん自身、そしてその反映としての作品も、変わってくるように思います。新しくファンになる人もいるだろうし、離れる人もいるかもしれません。私は、今回、演劇論も含めて、もう少し俯瞰的に観ることが出来るようになれたらな、と思いました。

以上です。

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