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【文楽】令和5年夏休み文楽特別公演

 勤務先で、早めの夏休み(お盆休み)を取りました。
 日頃、東京に住んでいるのですが、大阪に移動し、国立文楽劇場で「令和5年夏休み文楽特別公演」を見てきました。公演期間は、2023年7月22日(土)~2023年8月13日(日)で、まだ始まったばかりです。
 以下、メモを残したいと思います。今回は、作品の感想というより、文楽鑑賞の自分のレベル感など、気づいた点が多いです。


■上演演目

 昨年と同様、今年も【親子劇場】【名作劇場】【サマーレイトショー】の三本立てでした。
・第1部 【親子劇場】かみなり太鼓、解説:文楽ってなあに?、西遊記
・第2部 【名作劇場】 妹背山婦女庭訓の四段目以降
・第3部 【サマーレイトショー】夏祭浪花鑑

■気づいたこと

(1)人形と太夫のつながり

 文楽は、①太夫、②三味線、③人形の3つの要素で構成されています。
 配置上、①と②は、舞台に向かって右前の「出語り床」にいて、③は舞台に上がっていることから、私の頭の中で、「①+②のグループ」と「③」という風に、(勝手に)グルーピングされている部分がありました。

 しかし、子ども向けの文楽「かみなり太鼓」を観ていて、人形の口から言葉が発せられることを、いつもより強く意識することが出来ました。
 つまり、「③+①のグループ」に「②」というイメージです。

 このように意識できたのには、以下のような理由があります。

  • 「かみなり太鼓」が子ども向け、且つ、太夫の語りが「現代語」で、台詞として意識しやすかったこと

  • 「かみなり太鼓」には4人の登場人物(寅ちゃん、おかあちゃん、おとうちゃん、かみなりトロ吉)が出てきますが、太夫も4人の「掛け合い」で、各登場人物を意識しやすかったこと

  • (ここは個人的な感想ですが)4人の登場人物に、各太夫の声が合っているように感じられたこと

(2)自分のレベル感

 (1)と関連するのですが、「かみなり太鼓」は、床本や字幕を追わずに、人形を目で追いながら楽しむことが出来ました。「文楽」は1年ほどの初心者ですが、(情けないことに!)子ども向けの作品が、自分のレベルに合っていたのかもしれません。
 これまで観てきた文楽は、江戸時代(?)からの言い回しです。且つ、内容も家族を犠牲にしてでも忠義を尽くす「時代物」や、男女が心中する「世話物」など込み入っており、正直、難易度が高い部分があったのかもしれません。
 しかしながら、今回の経験を「初心者には、子ども向けや現代語の文楽もおすすめです。」とポジティブにとらえつつ、今後も「時代物」「世話物」にも粘り強く挑戦していこうと思います。

(3)自分にとって、いい座席とは

 座席についてです。
 これまで私は、舞台全体から字幕、そして、太夫さんや三味線の方が目に入るように、7列目~9列目の座席で鑑賞することが多かったです。
 しかし、人形が台詞を発すると割り切るのなら、太夫が目に入らずとも、もう少し前の方の席で鑑賞してもよいのかもしれないな、と思えるようになりました。

(4)補足

 (1)~(3)は、私の個人的意見です。一般的でないかもしれません。
 太夫を独立させて、メインで観る方もいらっしゃると思います。そして、①太夫、②三味線、③人形の3要素を、もっと一体感を持って鑑賞できれば、それ以上のことはないように思います。

■各演目のメモ・雑記

 長くなったので、短めに書きます。
◇第一部
・「西遊記」では、地獄の閻魔様の場面や、きんと雲で空を飛ぶ場面など、あまり舞台でもで観たことがない場面があったこともあり、新鮮でした。
◇第二部
・「妹背山婦女庭訓」の前半「井戸替の段」で、唄を唄うところは、後半への伏線もあるのかな、と思いました。(個人的な感想です。全体を通して、結構、伏線が張られている作品のように思います。)
・題名にある「庭訓」の意味・かかわりが、四段目でようやく分かりました。

 私は、もともと大阪の人間ではなく、外から入ってきて鑑賞している感じもあるのですが、せっかく関心を持った「文楽」です。もう少し、粘り強く鑑賞力をつけていこうと思いました。
 そして、「かみなり太鼓」は、オススメの作品です!(親子劇場である第一部は、観ようか迷った部分もあるのですが、観ることが出来てよかったと思います。)

追記:
 これは記載しておこうと思って忘れていました。
 第一部の退出時に「人形のお見送り」があり、人形遣いさんが、人形と子どもたちに肩を組ませているのが、面白かったです。
 思い出になるだろうね。

 本日は、以上です。

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