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【能・狂言】草子洗小町・連歌盗人

 2023年3月25日(土)、国立能楽堂に能・狂言を観に行きました。演目は、能の『草子洗小町』と狂言の『連歌盗人』です。私は、能・狂言を観に行くこともあるのですが、舞を観るポイントが掴めていなかったり、スローテンポに眠くなったりして、noteにメモを残すのを難しく感じています。しかし、今回は有意義に過ごすことが出来ましたので、メモを残したいと思います。

■今回のテーマ

 今回は、テーマが「和歌」「うた」で、それぞれの演目が選ばれていました。古典文学が好きな私には興味深い内容であり、ワクワクしながら鑑賞することが出来ました。以下、能と狂言について、それぞれメモを残したいと思います。

■能『草子洗小町』について

(1)あらすじなど概要

・三番目物
・今回は、金春流でした。
・宮中の歌合の会で、小野小町は大伴黒主から盗作の疑いをかけられます。小町が詠む予定の歌を黒主が前日に盗み聞き、万葉(集)の草子に書き加えておきます。古歌から盗作したという状況を作りだす訳です。この黒主の画策と、いかにして小町が切り抜けたかというところが見どころした。
・絶世の美女とされる小野小町の若い頃を扱ったのは、この曲だけだそうです。他は「卒塔婆小町」など、年老いての能のようです。
・小町(シテ)の能面は「小面」でした。

(2)詞章に出て来た歌人の名前

・小野小町/大伴黒主/紀貫之/柿本人麻呂/山部赤人/凡河内躬恒/壬生忠岑
・「右衛門の尉」は、壬生忠岑の役職なのか、赤染衛門関連なのか、ここは後で調べてみようと思います。
・同時代に存在しない人を集めた全くのフィクションとのことです。

(3)曲内で小町が詠んだ歌

・歌合の会のお題は、「水辺(すいへん)の草」。初夏の頃。
・「蒔かなくに 何を種とて浮草の 波のうねうね 生い茂るらん」

(4)感想

 小野小町を扱った能は、以前から観てみたいと思っていて、今回初めてでした。歌合せの会の雰囲気は、華やかでとても良かったです。
 後半、小町が草子を洗う場面では、みんな(帝、紀貫之、朝臣、官女などに加え、観客も)で、どうなることかと覗き込むような感じで、一体感があったように思います。
 最後に「歌の道」を説き、舞を踊る場面は、大団円で本当に良かったです。

■狂言『連歌盗人』について

(1)あらすじ

 連歌会の当番になった貧しい男二人が、準備が出来ない故に、金持ちの家に盗みに入る。床の間で、連歌の発句を書いた短冊を見つけて…。

(2)歌われた連歌

「水に見て 月の上なる 木の葉かな」
「梢散り 顕れやせむ(ぬ) 下紅葉」
「時雨の音を 盗む松風」
「闇のころ 月をあはれと 忍び来て」
「覚むべき 夢ぞ許せ 鐘の音」

(3)感想

・貧しい男二人が、準備した鋸で垣を引き切り、忍び込む場面が面白かったです。こういった演出は、時代と共に変わるのか、昔からの演出なのか、どちらだろうと思いました。
・書き留められなかったのですが、最後の場面で、男二人が、「歌」についての台詞を言うところが印象に残りました。

後で追記するかもしれませんが、以上です。

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