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【文楽】文楽鑑賞教室(2023年6月)

 2023年6月11日(日)、大阪の国立文楽劇場で、外国人向けの枠で文楽鑑賞教室に参加しました。「Discover BUNRAKU −BUNRAKU for Beginners−」です。以下、メモを残します。

■鑑賞教室の枠について
 国立劇場などの歌舞伎・文楽・能狂言では、初心者向けに解説が入った鑑賞教室が催されることがあります。初心者といっても、近郊の学校が枠をおさえ、若い中高生が参加することが多いようです。そして、枠の1コマか2コマが、社会人や外国人向け専用として割り振られます。
 今回、私は社会人向けの枠での参加を考えていたのですが、早くに埋まってしまい、外国人向けの枠で参加させて頂きました。
 文楽は何度か観たことがあるので、改めての解説までは必要ないかもと思っていたのですが、参加してみて良かったと思います。

■解説:文楽へようこそ(The ABC of BUNRAKU)
 今回、参加した外国人向けの枠では、一般向けの枠にある文楽『五条橋』の上演がなく、その代わり解説が40分もありました(社会人向けの枠も同じ構成だったようです)。
 物語好きの私は初め「解説はいいから『五条橋』を上演してくれ〜」と思っていたのですが、この解説が面白かったです。
 (私が参加した回の)解説は桐竹勘次郎さん。英語に訳す役割も担うナビゲーターは八木早希さんでした。

①人形遣いについて
 文楽は、太夫・三味線・人形の3つの要素で構成されていますが、今回は人形を中心に解説がなされました。
 まず、人形のつくり、人形の遣い手、遣い方などの説明がありました。
 私は、特に女方人形の感情表現が印象に残りました。嬉しい、笑う、恥ずかしい、悲しむ、泣く、激しく泣くなど、細やかに表現されていて、「(昔の)日本人の感じ」が出ているような気がしました。
 次に、人形の型についての説明が印象に残りました。「六方」「棒足」「カンヌキ」「壁塗り」などの型が紹介されました。私は、型について話を聞くのは殆ど初めてなこともあり、自分の文章で書くのは難しそうなので、見つけた「文化デジタルライブラリー」のリンクを貼ります。

②実際に人形を使ってみよう
 次に、会場から3人の方を募って、舞台上で実際に人形を遣う時間が設けられました。3人で「主遣い」「左遣い」「足遣い」の役割を分担します。
 短い時間の練習でしたが、人形遣いさん達の説明や指導もあり、上手く遣えている感じでした。私個人としては、目立たなそうに見える「足遣い」さんの見得を切った時の足踏みの音が一番印象に残りました。会場も沸いた感じがしました。

■仮名手本忠臣蔵
 最後に仮名手本忠臣蔵の上演がありました。
 あらすじを簡単に書くと、忠臣蔵を太平記の時代に置き換えた作品で、今回は松の廊下から塩谷判官(浅野内匠頭)の切腹、城明渡しまでの物語でした。全11段のうち3段目から4段目あたりでしょうか(「殿中刃傷の段」「塩谷判官切腹の段」「城明渡しの段」)。
 初めて観る部分で面白かったです。各場面、印象に残りましたが、特に、最後の城明渡しの場面で、睨みながらも肩を落とすような人形遣いの感情表現が印象的でした。私個人としては、今回も出来るだけ、床本を見ずに「聴く」ことに集中するように気をつけましたが、まだまだです。

 今回写真はsengoku_noteさんの赤穂の城の写真を使用させて頂きました。

 本日は、以上です。


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