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カレー歴1年。カレーの魅力を再考

カレーって何がおもしろいんだっけ?

カレーを好きになってちょうど1年。毎週末自宅で調理をしたり、たまに人に食べさせたり、関連の本も買って読んだり、すっかり僕の生活の大部分をカレーが占めるようになっている。

普段から何かにつけてカレーカレーと言っていると、「カレーの何がいいの?」とよく聞かれる。その度考えるけど、ちょうどいい答えが思い浮かばずいつも歯切れの悪い返事をしてしまうので、カレーって何がおもしろいんだっけ?ってことを振り返ってみようと思う。

カレーは自由だ!

カレーの魅力。スパイスの調合や調理が奥深い、でも誰もが知っていてポップ、国や地域ごとで背景がある、最近は音楽などのカルチャーとの親和性も高まっている、単純においしい……、無数に挙げられるけど、一番は「自由」ということじゃないだろうか。

カレーには明確な定義がない。カレーの起源はインド。でもインドには「カレー」という食べ物はない。語源の一説、タミル語(無数の言語であふれるインド国内にあるひとつの言語)の「カリ」はスープを意味し、特定の料理を指すわけではない。だから、インドに「カレー」と名のつく料理はない、らしい。

当時のインドを牛耳っていたイギリスが、なかば勘違いして名前をつけた「カレー」という食べ物は、定義されないまま日本に渡ってきて、変化しまくっている。数年前から注目されている大阪のスパイスカレーなんて最たるものじゃないだろうか。

カレーをカレーたらしめるもの

だから、「カレーは日本の国民食!」なんてことを言われることもあるけど、思い浮かべる“カレー像”は、人によって違う。母親がルウで作る懐かしいおうちカレー、大ぶりの野菜がごろっと入ったスープカレー、昔ながらの欧風カレー、ナンで食べるバターチキンカレー、ピリっと辛いグリーンカレーなどなどなど。どれもカレーだけど、ぜんぶ別のものだ。

カレーをカレーたらしめるものは何か。黄色ければ、辛ければ、スパイスだ! ルウのものも本場のものも、どれもこれもスパイスを使っている。ビーフシチューが明らかにカレーじゃない。肉じゃがが明らかにカレーじゃない。じゃあスパイスを使うものはカレーなのかと言えば、なんとも言えない。中華は香辛料(=スパイス)をふんだんに使う。中でも麻婆豆腐は、カレーと同じように数種類のスパイスを使って、カレーと同じような調理手順で作る。だから、麻婆豆腐はカレーだ!という人もいる。なんとなく、「いや、麻婆豆腐は麻婆豆腐だし、中華は中華でしょ」と思うけど、違いを明確に説明するのは難しい。

新参者でもマウントを取られない

結局、誰もが同じ解釈ができるカレーの定義は、今のとこをない。じゃあもう、スパイスを使った料理を「これはカレーだ!」と言えば、もうそれはカレーってことでいいんじゃないでしょうか。そういう気楽さがカレーにはある。

逆に、「いやいや、カレーをカレーたらしめるものは存在するからそれを追求するんだ!」というものあり。カレー屋をやるミュージシャンが多いように、音楽との親和性が高そうだからその関係を探ってみる、というものおもしろい。カレーを軸に食文化を考えるのも興味深いし、科学とかみたいに関係なさそうなものとの関連性を見つけ出すのもおもしろうそう。角度を変えずにおいしさについて考えたり、シェフの話を聞くのもワクワクする。

どんなスタンスで向き合っても目くじら立てる人もそんなにいない。新参者でもマウントを取られない。カレーの周りにはいつも自由な雰囲気も周りに漂っている。なんでもありなところがカレーの一番の魅力。つまり、カレーは自由で最高!ということ。

もっとカレーで遊びたい

ただ、今のところ、僕の頭の中にあるカレーについてのことほとんどは今カレー業界で活躍する人たちから得たもの。せっかくならもっと自分で楽しみたい。もっと好き勝手自由にカレーのことを考えてみた方がきっと楽しいはず。

いろんなユニークな人がおもしろいことをたくさんやっているのでまったく新しいことはないかもしれないけど、僕がこれから体験したり考えることを、少しずつ言葉にしていこうと思う。

某IT企業の編集部所属のふたりで運用中のアカウント。「なにか書きたい」ということで毎日更新しております。