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補欠の息子に親がしてあげられること vol.2

試合を見に行くべきか、否か。

試合の前日に見にこなくていいよと言われてしまった。
そして、落ち込んでいる息子。
どういう気持ちでそう言ったんだろう…。
ぐるぐる、ぐるぐる、いろんな思いが頭をめぐります。
試合に出れないから不貞腐れてる?
いつも応援してくれる親に遠慮してる?
それでも本当は来てくれたら嬉しい?
本当に来てほしくない?
自分と息子のことなのに、どうしてあげればいいのかさっぱり分からない。

そして、少なからず私も息子の発言にはショックを受けていました。
あんなに練習を頑張っていたのに…
他の子と比べてもそんなに大きな差はないように見えるし。
コーチから外された時の様子を想像してしまい、涙が出てしまいました。

親になって、自分のことのように、いや、自分のこと以上に、こんなに辛い思いを経験するとは、思ってもいませんでした。

結局その日はほとんど眠ることができず、試合当日の朝を迎えます。

朝起きてきた息子は、昨日よりは気持ちは落ち着いているようにも見えました。(寝たら嫌なことも忘れられるのは息子の長所でもある)
悩んだ結果、試合の付き添いはいったん夫に任せることにし、私は少しだけ覗きに行く程度にすることにしました。

とはいえ、家にいてもソワソワ気持ちが落ち着きません。こんなことなら腹を括って見に行けば良かったか…。

最終試合に間に合うように家を出て、試合会場に到着。
合格発表を見に行くかのように、緊張と不安が止まりません。そして、恐る恐る体育館の扉の隙間から覗いてみました。

えっ、息子が試合に出てる!
驚きと安心で、一気に緊張の糸が切れました。
「ガンバレ!走れ!負けるな!」と祈りながら、息子の奮闘をそっと見守りました。

夫に話を聞くと、かなり点差をつけて勝っていたので、補欠の息子にも出番が回ってきたとのこと。
試合が終わって私を見つけた息子は、昨日とは打って変わって笑顔でした。
これまで遠慮しがちだったチームメンバーとの距離も少し縮まったようで、いろんな話も聞かせてくれました。

良かった。ほんとうに良かった。
なんだかひとつ大きな壁を乗り越えた気もするし、
ただ私が考えすぎだった気もする。

いずれにしても、もしまた落ち込むことがあっても、今日の日のことを思い出せば、乗り越えられそうな気もする。
私にとっても、息子にとっても貴重な経験となりました。


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