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スーパーマーケット

  コンビニ、ドラッグストア、スーパー、日常の買い物を色々なところでしている。最近はネットスーパーというものもあって、自宅にいながら日用品から食材まで多様なものが揃う。自宅にいながら、ということなら昔からCoop生協は宅配をやっていた気がする。毎週食材や日用品を注文して、それが次週に届く。
  昔、私がまだ幼かったころ、母親が注文書を記入していたのをふと思い出した。品物の名前と番号がずらりと並んだ専用の用紙に、必要な数を記入していく。たいていは1つで十分だから、必要な品物の欄に「1」を記入することになる。
  幼心に不思議だった。「1」を記入するのではなく「/」を記入しているのだ。注文の用紙では1が/になる。昼下がりに/を書き入れていく母親の姿をぼんやり眺めていた、そんな記憶。
  時々私の好物に/を入れる時には優しく語り掛けてくれていたような。

  そんなことを夕暮れのスーパーに思ったのは、親子連れの家族、老夫婦、多様な人々が互いに会話しながら買い物をしている姿を眺めたから。

「今日の夕飯に○○を作ろうか」「あ、××が少なくなってたよね」「これ買ってもいい?」「アイス!買わなきゃ!」「あれ、買わなくていいの?ほら、あれだよ、あれ」……

  スーパーでの買い物は家庭を映す。買い物客がすれ違うたびに、生活が交差する。夕暮れに赤く染まるスーパーは日常とファンタジーの入口だ。

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