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生きるために必要なもの

一歩一歩(2)

こんにちは。お元気ですか。札幌は雪が降り始めました。最近みかん風味のルイボスティーを発見して、今度飲もうと思っています。今回は2020年を振り返りたいと思います。

調子を崩すくらいなら…

 この年は、これまで以上に生きることの重みを感じることの多い年でした。2019年までにも調子を崩したことはありましたが、この年の場合は落ち込んでいると周りの足手まといになるように感じ、公共の場で咳払いをすることにも神経を使い、「少し調子を崩す」ということが重大なことのように感じました。

 そうした心身の調子に敏感になる日々の中で、一つ気づきがありました。自分のことは自室とキッチンと風呂と、大学を回遊して、ごくたまに出かけるような人間だと思っていました。今の生活が始まったときも、外出しなくていいならそのほうがいい、人と会わないならそのほうがいいと豪語していました。(今思うと、強がっていたのだと思います…。)

インドア派なのに

 実際に外出を控えるようになると、研究や仕事で落ち込んだとき、誰かと会って話したいとき、誰かと、もしくは一人でカフェや映画館、旅行先に行くことが難しくなっていきました。人と出かけ、文化的なものにふれ、美味しいものを食べ、楽しんだり気づきを得たりすることがほとんどなくなりました。すると、同じことをぐるぐると考えたり、息苦しさを感じることが増えていきました。

 しばらくしてオンラインでも映画やイベントを観るようになりました。しかし、それでも息苦しさがありました。たまに家族や友人とテレビ会議システムで話す時間に安らぎを感じていました。しかし、そのうち少しずつ調子を崩し、うまく回復させることができず、とうとう熱を出して2週間ほど微熱で寝込むことになりました。(感染症ではありませんでした。)

コロナでわかった、必要なもの

 自分は命が続く限り淡々と回遊するつもりでいましたが、生きるため、調子を保つためにはたくさんのものが必要だと気づきました。衣食住はもちろん、私は思っていたよりも文化的なもの、手間のかかった料理、人の温かさ、感情のやりとりを必要としていました。それらは自分に気づきを与え、励ましてくれていただけでなく、調子が少し崩れたとき、回復を助けてくれていたのです。

 これまでの自分は、少し自分の力を過信して大切なことを見落としていたように思います。2021年は、2020年に支えてくれた人に恩返しをしたいです。周りの人や環境に感謝して大切にしようと思います。

掲載:日本原子力学会誌 2021年2月号
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jaesjb/63/1/_contents/-char/ja

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