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海外ひとり旅、宿無し女に訪れた奇跡の出会い

私は今から2年前、23歳の時に、オーストラリアのシドニーに2週間1人旅をしたことがある。

その時は学生だったし時間は思う存分にあった。人生で一度は1人旅をしてみたいと考えていたので「今だな」と直感的に感じて、思い切って行ってみた。

なぜシドニーを選んだかというと、治安面で女1人でも(恐らく)安全、且つ程よくシティ感と自然が両立している町だったからだ。

社会人の今と比べると、当時の私は貯金なんてほぼなかったので、一ヶ月間死ぬ気でアルバイトをして貯めたお金で行くつもりだった。そのくせ飛行機の快適性は譲れなくて、日本からオーストラリアは長距離ということもあり、カンタスさんにお世話になった。

飛行機代だけでも往復9万円程はするので、後は宿泊代でどうにか最小限まで削ろう、、と思っていたところ、なんと、めちゃくちゃお財布に優しいホステルを発見。

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シドニーの中心、Central駅から徒歩3分のとてもアクセスの良い「Sydney Central YHA」というホステル。

日本でいうちょっとおしゃれなゲストハウスの、大きい版って感じ。内装はきれいで清潔感があり、様々な国籍の旅人やバックパッカーが宿泊する場所であった。

気になるご料金はというと、

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14泊で、、、AUD589。いくらかというと、

当時2018年のレートは80.18円だったので、なんと約47,226円
ということで、1日あたりの宿泊額は、約3,373円。

お得がすぎるすぎる。それに旅するには私、お金がなさすぎやしないか。だが物価が高いオーストラリアで贅沢は言ってられないのも事実。

ただ、気になる点が2つあった。

まずお得故に一番気になるのが、女1人旅で男女共用のドミトリーに滞在するという状況だ。誰が聞いても危ないと思うだろうが、これも1人旅の夢を叶えるためだと思い、この点にはしぶしぶ目を瞑った。

あともう一つ気になる点は、最後の1日だけ宿泊予約ができないことだ。

宿泊日は2018年2/3土曜日から2/17土曜日までで指定できた。だけど私が購入した航空券の帰りの日程は3/18日曜日。最後の1泊、どうするのだ。

今考えるとこれはもうほんとに無謀すぎて笑って済む話しではないのだが、その時の私は何故か強者だった。

イモトに比べればなんのこれしき、、とか訳のわからない理屈で思考をポジティブにさせていた。最悪宿がなければ空港泊するか、現地で友達になった人のおうちに泊まらせてもらえばいいや、なんて考えていた。宿泊させてくれるレベルまでの友達ができるかなんてわからんのに、、

この気になる2つの点さえ目を瞑れば1人旅できる。私は「予約するボタン」をインスタでイイね!するくらいの感覚で押していた。

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そしてついに、シドニーに到着!!

2月だけどこちらはサマータイムで暖かく、とても過ごしやすい気候だった。夜も20時くらいまで明るくて、毎晩外に飲みに行ったり海を眺めに行ったり、カンガルーのお肉を食べに行ったりした。

私が選んだホステルのYHAは、二階が旅行代理店になっていて、実はシドニーに行く前にそこで働く日本人の方とmeet upで連絡を取っていた。現地についてから交流の場を探すよりも、事前に繋がれるコミュニティがあれば、やれることはやっておこうと思っていた。

その方はshinyaさんという。彼はシドニーで、「日本クラブ」という国際交流の場を生み出す活動をしていた。シドニーに行ったら、まずそこで友達を作ろうと思っていた。

シドニーの有名なオペラハウスの下には、レストランがたくさんあって、テラス席で夜までお酒を楽しめる空間がある。「そこで開かれる日本クラブの集まりがあるから、来てみなよ!」と快く言ってくれた。

彼には本当にお世話になった。シドニーには約2週間程しか滞在していないにも関わらず、地元の人が行くバーおすすめ10選くらいに連れて行ってもらったり、ラーメンの会に参加させてもらったりした。様々な場所に赴いては気にかけてくれた。

そして彼経由で出会ったのが、Rickyというフォトグラファー。彼はインドネシア人だったが、シドニーに移り住み、本業はシステムエンジニアをしている在住の人だった。

彼は日本が大好きだった。どれくらい好きかというと、シドニーにいながら日本企業のSE職で働いているということと、彼の自宅の一部の部屋をワーホリで来ている日本人に貸し出し、ホームステイのように受け入れているくらい好きだった。

shinyaさんが私の事情をRickeyに話してくれて、「よかったら17日(私が日本に帰る前日)に僕のうちでみんなでたこ焼きパーティーをやるから、その時にユリサも来なよ!そのまま僕の家に泊まって、次の日日本に帰ればいいよ。」と言ってくれたのだ。

神様降臨以外の言葉が見つからない。こんなこともあるのかという驚きを隠せなかった。この経験で、人生って何が起こるかわからないから楽しいんだなと、身を以て学んだ。(うまく事が収まったからそう言えるところもあるが。)しかも何て懐の広い人。正直日本で同じような状況はありえない。いくら好きな国だからと言っても、いきなり見ず知らずの外国人を自宅に泊まらせるだろうか。

そして17日、彼の他の日本人の友達も招いて、たこ焼きホームパーティが行われた。外国にいながら日本の宅飲みの感覚を思い出した。

次の日は私のシドニー最終日ということもあり、日曜日だったのでRickeyは車で色んなところへ連れていってくれた。

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そして色んな話をした。故郷であるインドネシアを離れて何年もこっちで暮らしていること。私は自分に置き換えながら話しを聞いていた。仕事など何か移住する決定的な理由がある訳ではなく、彼はシンプルにオーストラリアのシドニーという町を気に入っていた。

そのシンプルな理由一つで移住を決断するという自由さと価値観に驚いた。潔くてかっこいいし、何だか私がわくわくした気持ちになった。

Rickyを見ていて、人生、自分がこうしようと本気で思えば、何でもできるな、と思った。世界にはこんな風に生きている人もいて、自分の周りの価値観だけが当たり前ではない。この感覚を忘れたくないなぁって、思っていた。

そして見ず知らずの人に、こんなにも親切に優しくしてあげられるくらいの気さくさと心の豊かさを持てる人になろう、と思った。

無謀女ひとり旅計画、国も人も美しいオーストラリアを選んで、人としての学びたっぷりの二週間でした。





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