“子どもの「できた!」を増やす専門家”作業療法士7人によるリレーコラム #07|子どもの偏食に困っているお母さんへ
皆さん、こんにちは。作業療法士の中岡和代です。髙島先生からバトンを受け「子どもの偏食に困っているお母さんへ」というテーマでお話させていただきます。
給食が大好き!というお子さんもいれば、給食が苦手、、、というお子さんもいます。私は食に関する行動をテーマに研究をしており、その中で出会ったお子さんを3人ご紹介させていただきます。
料理に挑戦したA君
A君のクラスでは給食をぜんぶ食べられたら、おかわりができるし、先生からご褒美シールがもらえます。A君が1年間でもらったご褒美シールは4枚。大好きなカレーライスの日も、サラダのドレッシングが苦手で完食できず、おかわりできません。「カレーライスおかわりしたかったな・・・」とつぶやくA君。それを聞いていたお母さんが「今から一緒にカレーライス作ろうか!」と声をかけるとA君は満面の笑みで「うん!」とキッチンに向かいました。給食がぜんぶ食べられないことは失敗じゃないよ。ご褒美シール4枚もらってすごいね。
怖さと向き合うB君
給食でひじきとわかめが出てフリーズしているB君。黒は怖い、黒は暗い、だから黒い服は着たくない。黒いものを見るのも、身に着けるのも怖いのに、黒いものを口の中に入れるなんて勇気がいるよね。「栄養があるから食べて!」「みんな食べてるよ!」「美味しいよ!」そんな風に思えないよね。
小さな一歩から始めたC君
ブロッコリーが苦手なC君。家族との食事の中でブロッコリーを1㎜食べられるようになり、2㎜、3㎜と少しずつ食べられる量が増えています。「これなら給食のブロッコリーも食べられるかも!」と自信が出てきました。
苦手には理由があります。におい?味?音?色?形?食感?それ以外?何となく?子どもの思いに耳を傾け、共感し、応援し、一緒に戦略を考えて、楽しむ。子ども自身が失敗じゃないと思えること、納得できること、次頑張ろうと思えることを支えたいと思っています。
文・大阪公立大学
作業療法士 中岡和代